興味の無い人には流れ星も彗星も、実際がどんなものなのかなんて全くどうでもいいことなんでしょうけど。
どちらも「尾を引く」ということは共通していてもその正体も見え方も全く別物で。
流れ星は宇宙にある塵などが地球の大気圏中に入って空気との摩擦で燃えてしまうのが見える一瞬のもの、っていうのがごく簡単な説明かな。
ここでは「彗星」についてさらりと。
遠くにある時には小惑星と区別がつかないようですが、太陽に近づくと太陽からエネルギーを受けて反対側に塵やガスで出来た尾を伸ばします。
周期的に太陽の周りを回るものもあればもう二度と近づいて来ないものもあるようです。
ハレー彗星は76年周期でしたね。
百武(ひゃくたけ)彗星は1996年3月25日に地球に最接近したそうです。
同年1月末に発見されて、肉眼で見える大彗星となりました。
しかし、長周期彗星ということで今現在生きている私たちがその姿を見ることはもう二度とありません。
そんな百武彗星の思い出です。
なんだけど、その前にバリの思い出を。
1996年3月半ば、バリに行きました。
以前職場で一緒の部署にいた友人がインドネシア語を勉強していて、年に1、2回バリ旅行をしていたので「一緒に行きたいね。」って言ってたんですけど、同じ部署で二人が休むことも出来なかったのです。
そしてその後会社を辞めて結婚していた私を誘ってくれた友人の言葉にのっかって、出かけたという訳です。7泊8日だったかな。結構長いことダンナをほったらかして行きました。
友人と、その友達が先に行ってたので私は一人でバリまで。そしてその数日後に友人の彼氏も合流。自由だな~(笑) こういうの、ツアーでのパックになっていないからこその旅ですね。
クタのロスメン(民宿みたいなの)で宿泊しつつ、手荷物だけで小旅行も。
ちょうどバリのお正月に当たって、お店が休みになってしまうので、船に乗って隣の島に遊びに行ったり。
そこからさらにもともと無人島になってた島へボートで行きました。
ロバ馬車でゆったり回って20分くらい?のちゃっちゃな島。
店1件。トイレには紙がなく水桶とひしゃく(・_・;)
ビーチで遊んで、部屋で昼寝したりして贅沢な時間を過ごしました。
ウブドゥとか、観光地もいったけど、昼寝のイメージおっきいわ~。
ジェットスキーに乗せてもらったり、バナナボートにパラセーリング。3つ体験しても1万円に満たなかったんじゃないかしら。でも、実は海は、いや、水中は苦手。でも安いから頑張ってみた(笑)。
そうそう、その前のちっちゃな島で遊んでた時のこと。
水中眼鏡をつけてビーチから海に入って熱帯魚とか眺めつつふわふわ浮いてたら、ほんの数メートルくらいのところで海底がドーンと落ち込んで青い水しか見えなくなっていて焦った
「こんなとこで流されたら戻れない~」って怖くなってすぐに向きを変えました。
でも水はきれいだったな~。きれいすぎて一層深さがクリアに感じられて怖かったです。
バリからは友人と帰る日程を合わせたつもりだったのですが、なんと友人たちはもう一日先だったのを勘違いして私に伝えていた←ということで、友人の彼氏と二人でひと足お先に帰ることに。
彼氏のAくんは私も知ってる子だったし、旅行中4日間一緒だったから隣座席でも気が楽。デンパサールからジャカルタを経て関空へという帰路でした。
ジャカルタからも同じ機で帰るのですが、一旦機から降りなければいけないとのことで、空港内で時間潰し。
再度乗り込んでからのこと。
Aくんの空気枕が無い。
夜のフライトだったので、彼はデンパサールを出てから枕を膨らませていたのですが、ジャカルタで降りる際には邪魔になるのでどうせ同じ座席だしとシートに置いていったのです。
どうやらジャカルタでの機内清掃で片付けられてしまったようです。キャビンアテンダントのお姉さんにそのことを話して探してもらいましたが結局見つかりませんでした。
膨らますのが早かったね、しゃーないね、という話をしていたのですがしばらくすると男性乗務員の方が来られ、丁寧にお詫びを言われました。
そして、「よろしければ今、一部の方だけですがコックピットを見学していただいてます。いかがですか?お連れさまもご一緒に。」とのこと。
16年前。まだ9.11のテロ事件の前のこと。
現在ではそんなこと、到底ありえません。
それでもおおっぴらにやってることでもなかったようなのであくまでも低い声でこっそりとお誘いを受けました。
「行く行く!」
なんてLuckyな私。友人のミスのおかげで、しかもAくんが枕を無くしたおかげでそんな体験が出来るなんて。
一番前の扉の中に入ると狭い狭い薄暗い部屋。
TVや映画で見たような、たくさんのメーターがぼんやりと光をはなっているコックピットでした。
目の前には驚くほどにきらめくたくさんの星☆
そして。
その正面真ん中にてるてる坊主を下向きにしたような百武彗星の姿が。
思わず息を飲みました。
彗星が落っこちる形のままで、落っこちる訳じゃないんだけど、尾を上に向けた状態で星空の中に貼り付いてる。
乗務員さんが静かな声で解説して下さいます。
「今、百武彗星がちょうど見えているんです。」
うん、うん、知ってる。
すごい。としか言いようがないけど、すごい。
雲の上で空気も薄いから星の光も彗星の白い尾も、とても明るく見えました。
飛行機の操縦をする人ってたいへんだけど、こんなに素晴らしいものも見ることが出来るんだ。
Aくん、ありがとう。
きっと枕をなくすことがなかったら見学の声がかかっていたとは思えないし。
たしか、枕の代金も何らかのかたちで戻ってくる手続きをしていたと思いますが、その辺はもう忘れた(笑)。
たまたまのことでほんとに間近で見ることが出来た百武彗星。
地球に最接近する2、3日前のことだったと思います。
テロの危険性もあるから今ではコックピットの見学なんてとんでもないんでしょうね。
でも、私、もしあれをこどもの頃に見ていたら、宇宙飛行士になりたいって本気で思ったかもしれない。
星空に近づきたくて飛行機の操縦をしたいって思ったかもしれない。
ほんとにまれな体験が出来たこと。
いい思い出です。
珍しい天文ショーは、見られるなら見たいもの。
今年の5月21日朝には日本でも皆既日食が見られます。
しかも今年は太陽のリングが見られる金環食。(400年に一度の天文ショー、って。うちらには一生に一度じゃん。)
また、この件についてはいずれまた別でエントリーをあげたいと思います。