『お腹からやせる食べ方』という革命 | Hack or Fuck ?

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久しぶりにレビュープラスさんからの案件。

▼タイミングよく著者である柏原ゆきよさんのミニセミナーが開催されることを知り、去る7月7日に横浜はみなとみらいのツタヤまで足を運んできた。
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この機会に柏原さんの話をじっくりと傾聴するつもりだった。

しかしながら、柏原さんの

「人間の体は食べたものからできるんです。栄養のあるものを食べていれば、カロリーをちゃんと消費してくれます。後はおしっこやうんちとして排泄されるので、余分な脂肪にはならないはずなんです」


というようなお話に、けっこう太めのおねえさんがスタバのカップに突き刺したストローをチューチューと吸いながら、

「うん!うん!」

と頷いているシュールな光景を目撃した瞬間におれの記憶は粉々に砕け散るのだった。

セミナーの内容は儚い夏の思い出となり、蜃気楼のようにおれの前から遠ざかっていった。

何か夢を見ていたような、夢の中で誰かの話を聞いていたようなあやふやな感触だけが残った。


だが、そんなことは問題ではない。

重要なのは、本のレビューだ。

おれは、ある意味不条理とも思えるワンシーンを振り払うようにダッシュで帰宅して、購入した『お腹からやせる食べかた』を読んだ。

▼Amazonの商品説明にはこうある。

●ハードな運動をいっさいしなくても、10日でウエストー8cm、1年後もー20cmキープ可能!
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●あなたの“常識”をくつがえす、“非常識”ダイエット
「10日間で劇やせ」なのに、「満足いくまで食べていい」「炭水化物もビールも3時のおやつもOK」!実は、お米は“世界で一番効く!「劇やせサプリ」「食べる美容液」「ストレスを消す栄養ドリンク」「お腹を鍛えるダンベル」!
「お米+味噌汁+おかず」をちゃんと食べるだけで、劇やせ、お腹やせ、冷え症・美肌・ニキビ・シミ・シワ・たるみ・便秘・老化が一気に解決可能!
体の「内側」から、自分に革命を起こす1冊!



つまり、お腹からやせる食べかたのキモは、「お米」そして「雑穀」を食べることにある、らしい。

少し前によく耳にした「炭水化物ダイエット」とは一体何だったのだと言いたくなる提言だ。あれはおれの幻聴だったのかと思ってしまうくらいだ。炭水化物ダイエットをしていたわけではないので別にいいのだが。

そんなわけで、おれが気になった部分をいくつか紹介したいと思う。

ぽっこりお腹の原因は「栄養過剰」だけでなく「栄養不足」

ここのところ腹回りの脂肪が気になっていたおれとしては聞き捨てならない言葉だ。

何より「ぽっこりお腹」という情けないネーミングがおれにも適用されることを思うとおだやかではない。部位が部位だけに、腹立たしい。

おれも「栄養不足」なのかもしれない…そう言われてみれば…思い当たらないこともないようなあるような…

で、なぜ「栄養不足」となるのか?

それは、カロリーはあるけれど、カロリーを燃焼させる「栄養が不足している」ファストフードやお菓子、加工食品等を食べ続けることによってもたらされるのだという。

ジャンクフード等をいくら食べても、脳は栄養不足と判断するので、栄養がある食べ物が口に入るまで食べたいと思うようになる。結果として過食となり、摂りすぎたカロリーは脂肪となる、というのがおおまかな原理らしい。

お腹は内臓がつまっている大事な場所なので、体の防御反応で、脂肪は優先的にお腹につくようにできています。ちょうど飢餓状態の子どもたちのように…:p002


▲これを読んだとき、おれは即座に「餓鬼草子」を連想するのだった。

由々しき事態である。

「ぽっこりお腹」などとチャーミングな呼び名の裏では恐ろしい事態が進行しつつあるのだ。

飽食の時代とは実は「餓鬼道」の時代だったのだ。

これは一刻の猶予もない、緊急事態である。

どうしたらいいのだ?ヘルプミー!

と、いうような悲痛な叫びにもちろん本書は解決策を示してくれる。

▼しかもあっさりと。
パンよりお米を選ぶと、お腹から、みるみるやせます

厚生労働省の調査によると、ほとんどの日本人は、既にびっくりするほどカロリーの少ない食事を摂っています。食料事情の悪かった戦後まもない1946年よりもカロリーを摂っていないのです。:p23


日本人の一人一日当たりのカロリー摂取量は、1946年では、1903kcalであったのに対し、2010年代に入ってからは、1849kcalだという。

それなのに、年々肥満人口は増加している。理由は脂質の割合にあるのだという。

カロリーは、脂質の割合が高すぎると燃焼しにくい性質があるので、同じカロリーを摂った場合、パンよりお米のほうが断然燃えやすいのです。:p25



そうだったのか!

われわれは今まで上っ面の数字に惑わされ、結果としてカロリーかぶれの栄養不足に堕していたのだ。

著者は、われわれに刷り込まれた迷妄のヴェールを剥ぎ取り、静かにこう告げる。

計算はもうやめましょう。カロリーを燃焼する栄養をしっかり補ってあげれば代謝が上がり、自然とやせていきます。だから、あなたはもう太りようがないのです。:p25



この言葉はただ「食」に関することを指しているだけではない。

もちろん著者は自覚している。だからこそ「はじめに」の中に、

何を食べるのかは、どう生きるのか、そのものです。

という文章が書かれてあるのだ。

おれは今、「体の「内側」から、自分に革命を起こす1冊」という冒頭に紹介した一文を反芻している。

それは、あながち誇張ではないかもしれない。

最後に、本書がメタボ餓鬼道にさまようあなたにとって一つの光明になることを願いながら、MacBookを閉じることにしよう。

合掌。

ごちそうさまでした。





お腹からやせる食べかた公式サイト


お腹からやせる食べかた/講談社

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