本日は稽古納め、

 

一年間を締めくくる節目の日です。

 

 

平成三年(1991年)に

 

サン・アリーナが開館する以前、

 

武道連盟の各団体は

 

桶川中学校に隣接する武道場で

 

稽古を行ってきました。

 

その中において、

 

桶川空手道会は稽古納めで

 

駅東口にある稲荷神社に参拝するのが

 

恒例でした。

 

 

武道場から

 

会長範士を先頭にみなで一列になり、

 

走って駅まで行きました。

 

靴を履くほかは、

 

普段の稽古のとおりです。

 

上着をつけることなく

 

道衣のみで寒風の中を、

 

楽しく走っていったことを

 

覚えています。

 

 

年の瀬で、

 

駅から家路を急ぐ人々が

 

私たちの走っている様子を

 

笑顔で見送ってくれたことなども

 

懐かしく思い起こされます。

 

 

駅の改札前を通って東口に抜け、

 

稲荷神社の本殿前に到着すると

 

全員で整列し、一年間の感謝と

 

今後の成長を祈念して、

 

受け、突き、蹴りを奉納しました。

 

会長範士の指揮の声、

 

みなの気合いの声は広い境内に

 

よく響きわたったものです。

 

冬の寒さと

 

神社の厳かな雰囲気のおかげで、

 

よい緊張感のある時間を過ごしました。

 

 

稲荷神社から戻ると、

 

助教を中心にお手伝いのスタッフさんが

 

温かいおしるこを作ってくれており、

 

それを仲間と一緒にほおばることも

 

稽古納めの楽しみの一つでした。

 

あの頃からおよそ四半世紀、

 

時代は大きく変化しています。

 

日本全体が勢いのあった

 

1980年代とは異なる、

 

閉塞感や先行き不透明感が

 

拭えない時代ですが、

 

そのような中にあるからこそ、

 

私たちは新しい希望や光を

 

見出すことができるはずです。

 

 

多様性が尊重される時代にあり、

 

社会から押し付けられる

 

枠組みや価値観が少なくなって

 

きているということ。

 

それらから解き放たれ、

 

個々人が自由であるということは、

 

生きる意味や在るべき姿は、

 

自分で見出すことが

 

求められているということです。

 

 

本日の稽古納め、

 

かつてのものと内容は

 

変化してきましたが、

 

これまでの精神を受け継ぎ、

 

みなでよりよい時間と

 

していきたいと思います。