10月も半ばをすぎ、

 

今年も2カ月あまりとなりました。

 

10月末には桶川市民まつり『武道の広場』、

 

11月半ばには『桶川スポーツフェスティバル』、

 

そして空手道選手権大会、

 

昇段・昇級審査会と続きます。

 

 

先日、

 

スティーブ・ジョブズ氏の

 

軌跡を振り返る特集のなかで、

 

ある言葉に出会いました。

 

潜行密用は 愚の如く 魯の如し 

 

ただよく相續するを

 

主中の主と名く(なずく)――

 

 

この言葉に出会うのは二度目でした。

 

一度目は今年の3月、

 

福井にある曹洞宗の大本山・永平寺を訪れ、

 

雪深い山奥の禅堂で

 

複数日に及ぶ座禅を中心とした

 

参禅修行をさせていただいたなかで、

 

ある高僧とともに

 

毎日読んだ経典のなかの一文でした。

 

 

改めて

 

手元の経典を紐解き読み返します。

 

かみ砕いて解釈すれば、

 

こういうことでしょう。

 

同じことの繰り返し、

 

長年の積み重ねによってこそ、

 

その本質を得ることができる。

 

派手さやきらびやかさはないが、

 

愚直な取り組みの連続のなかにこそ

 

体得し、

 

感じることができるものがある。

 

 

翻って、空手道の稽古もこれに

 

通ずるものがあると言えます。

 

受け技や突き技、蹴り、

 

移動、型、組手と、

 

一通りの形を覚え、

 

黒帯を取得したらそれで十分という人は

 

少なくないでしょう。

 

また、組手や試合で

 

よい成績を収めることが目標

 

という人もいるでしょう。 

 

それも成長や自己実現に向けた

 

ひとつの道でしょう。

 

 

こうしたなかで、

 

桶川空手道会の精神は、

 

この曹洞宗の言葉に

 

集約されていると言っても

 

過言ではありません。

 

剛柔流の神髄である

 

呼吸法の体得、身体の軸、

 

気力・体力・精神力の修養、

 

いずれも長年の蓄積によってこそ

 

得られるものであると

 

30数年の経験のなかで

 

感じ始めています。

 

 

空手道に限らず、

 

剣道や柔道、合気道なども含めて、

 

70歳、80歳代の先生方に

 

「私もまだまだ道半ばです」などと

 

笑顔で言われてしまうと

 

40歳を過ぎたばかりの私には、

 

なんとも言いようがありませんが、

 

この年齢になり、

 

そういう元気な先生方の存在を

 

改めて有り難く思います。

 

 

いまの私の役割に対する

 

叱咤激励ととらえ、

 

これからも一歩一歩、

 

仲間たちとともに

 

歩みを進めていこうと思います。

 

 

閑話休題

 

空手道の話題から少し広がりますが、

 

スポーツや武道だけでなく、

 

音楽や文化・芸術、日々の仕事など

 

すべてにおいて、

 

社会には素晴らしい先輩が

 

たくさんいます。

 

 

たくさんの方々と出合って感じるのは、

 

じっくりと物事に取り組まれている方は

 

どなたもが素敵なものをもっている

 

ということです。

 

どんな分野であっても

 

優劣をつけられるものではないと思います。

 

これらかもさまざまな出会いが、

 

厳しい社会に生きる私たちを勇気づけ、

 

成長させていってくれることでしょう。