クズにはクズが集まる。

私の母親は再婚しており、今の父親との間に生まれた子が先週永眠した妹でした。
思い返せば、今の父親と母親との出会いからすでに我が家の幸せというものは崩れ始めていました。
それはもう、年表にしたいくらいで、今の父親と出会ってから我が家の歯車は少しずつ狂い始めていったのです。

そもそも。そもそもなんですよ。
母親と出会った時、父親には出産のため母国に帰国している奥さんがいました。
その間に母親と出会って妊娠。
奥さんとは帰国後に別れましたが、もうその時点でクズじゃないですか。
母親には独身と言ってたみたいですから。

その後、父親の仕事がうまくいかなくなり、家に入り浸る日々が続きました。
父親は若い頃から一人親方として仕事をしてきた為、変なプライドが邪魔をして、仕事がないから他でアルバイトをしようなどという気にはならなかったようで、ずっと家にいました。
同時期に、二人の間に生まれた子が生後6ヶ月で小児癌発覚で入院。
母親は、昼間は病院で付き添い、夜はスナックへ働きに出るという生活でした。
母親がどんなに忙しそうでも、父親は決して働こうとはしませんでした。
仕事は疎か、時に母親の働いてるスナックへ顔を出し、きてやったぞーと飲みにきてしまうほどのクズさ。
これには、母親の働いてたスナックのママも同情したそうです。
貴方が働かないから働いてるのに、そこに平気で飲みにきちゃうんですよ、働いて稼いだ分チャラですよ、それで誰が喜ぶと思いますか。
闘病生活も虚しく、2歳を迎える前に弟はこの世を去りました。
その後、父親はそんな母親を見てるのが辛くなったのか、仕事がないのに仕事を装って出掛けるようになりました。
そして、消費者金融でキャッシングしてきたお金を給料と偽って渡すようになりましたが、それも長くは続きませんでした。
そんな中での妊娠。そして生まれたのが、妹でした。
今の父親と出会ってから、母親は苦労の連続でした。
もうね、クズなんですよ、ほんとに。
何がって、話せばキリがないほどクズなんですよ。
こういう人だから、母親は自律神経をおかしくさせてしまい寝たきりに。
妹が小学一年生の時、母は帰らぬ人となりました。

そして、母が亡くなってから2〜3ヶ月で父親は蒸発。いわゆる、ネグレクトですよね。
姉が、まだ未成年の子がいるのに見捨てられるのは困る!!と思い、警察に捜索願を出そうと思いますとメールを入れておくと飛んで帰ってきましたが、それも一時的に戻ってきただけに過ぎず、ある日突然知らない若いフィリピーナが家にいたのです。
もう、ほんとクズなんです。
さすがに姉がブチ切れました。
母が死んで半年程にも関わらず、いい加減にしてよと。
すると今度は、父親は前妻のもとへ転がり込んでいたのです。
父親は、前妻と喧嘩をするとうちに戻ってくる、という生活で、そんな日は夜中だというのに家の電話が鳴り響いたり、インターホンが深夜になるという迷惑極まりない非常識な行動に、私たちもノイローゼになりそうで、あの人はなんなの?!と問い詰めると、あの人は俺のストーカーだというのです。
その時は知りもしないですからね、前妻のとこに転がり込んでいただなんて。
そして、都合が悪くなるとこちらへ戻ってきて、前妻のことをストーカー呼ばわりです。クズすぎる…。
私たちも、だからストーカーだと思い込んでたんですが、まんまと騙されてたわけです。
そして前妻は、父親にお金を絞るだけ絞り取られて、浮気までされて。
まぁ。なんというか。詐欺師ですよね。
自分が生き抜くために他人をとことん利用してポイです。そこに血の繋がった我が子がいようとも、そんなの気にも留めないという、血も涙もないクズです。

そして。
妹のお通夜で久しぶりに父親に会いましたが、隣に見知らぬおばさんが立っていました。
「実は二年前に結婚したんだ」と言いました。
まさかの、お通夜で戸籍上のお義母さんに会うとは思っていませんでした。
仮にも、私達はまだ戸籍上は娘です。
こんなにも、身勝手で、自由すぎるクズはなかなかいません。
それに、葬儀をしている時点で、俺はきちんと子供の面倒をみているというなんとも天晴れな思考に、みな呆れ返る…。
クズだよ、クズ。ほんとクズ。
諸悪の根源とはまさにこの人のことだよ。
その再婚相手もスナックで知り合った人で、葬儀なのにノリがスナックの接客で場違いもいいところ。
そんな二人が遺族のところに平然と立っていることに、酷く複雑な気持ちでいっぱいでした。
なぜあの人たちが最後の弔いの花や骨上げをしているのかと。

父親の仕事関係の人達も来てくださいましたが、妹のスマホがロック解除出来ず、あまり人を呼べなかった関係で決して大人数ではなかったにせよ、最初に発した言葉が「おー、すくねぇなぁ」です。
クズにはクズが集まるものです。
私はひどく落胆しました。

妹は、こんな人が父親で辛かったと思います。妹の気持ちを考えたら、可哀想過ぎて、私が代わってやりたいくらいでした。
諸悪の根源がのうのうと生きてること、そしてまだまだこれからの若き命が奪われたこと、神様、こんなの不公平じゃないですか。
泣けてきちゃうよ。

納得したいけど。
妹を早く連れていった理由があるんだと、納得したいんだけど。
やっぱりまだ頭と心が追いつかないよ。




主が私の手を取って下さいます
どうして怖がったり逃げたりするでしょう
優しい主の手に全てを任せて
旅ができるとは何たる恵みでしょう

ある時は雨である時は風で
困難はするけどなんとも思いません

いつまで歩くかどこまで行くのか
主がその御旨を成し給うままです

誰も辿り着く大川も平気です
主がついておればわけなく越えましょう

〜主がわたしの手を〜【ルカ8:54】



妹がそう思えてることを祈っています。