
「自分は短気で、すぐに腹を立てるから、何とかしたい」
という悩みを抱えている人は少なくないでしょう。
私も、実はその一人。
すぐに腹を立ててしまうんです。
「怒る」「腹を立てる」「ムカつく」というように表現される行為は、
周囲からはもちろん好まれないし、自分でもイヤに思います。
自分で起こした心なのに、腹を立てた後は、
自己嫌悪に陥ったり、後悔したり、嫌な気分になります。
そんな嫌な結果を生み出す種が、この「怒り」です。
仏教では、怒りは無謀に始まり、後悔に終わるものだから、
よくよく気をつけなさい、と教えられます。
こんな話があります。
怒りっぽい西洋のある主人、
使用人の不注意から夕食を小羊に食われてしまった。
目に角をたて叱りとばされた使用人は、
腹いせにストーブに入れる火を小羊の背中に投げつけた。
毛に火のついた小羊は驚いて小屋に飛び込み、
何千ともしれぬ羊の群れに火がつき、
ついに家まで焼いてしまった。
という寓話。
一人の怒りがどこまでも波及します。
「怒りは敵と思え」
「堪忍は無事長久の基」
怒りの蛇を、口から出すのは下等の人間。
歯を食いしばって口に出さないのが中等。
胸に蛇は狂っていても、顔に表さないのは上等の人。
(『光に向かって123のこころのタネ』より)
この怒りは、常に自分は正しくて相手が悪いと思う心より起こる、と教えられます。
実際に、自分が腹を立てている状況を思い返してみると、
確かに、「自分が正しい」「相手は間違っている」
と思っていることに気づかされ、反省させられます。
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ある所に、内輪ゲンカの絶えないA家と、
平和そのもののB家とが隣接していた。
ケンカの絶えないA家の主人は、
隣はどうして仲よくやっているのか不思議でたまらず、
ある日、B家を訪ねて懇願した。
「ご承知のとおり、私の家はケンカが絶えず困っております。
お宅はみなさん仲よくやっておられますが、なにか秘訣でもあるのでしょうか。
一家和楽の方法があったら、どうか教えていただきたい」
「それはそれは、別にこれといった秘訣などございません。
ただお宅さまは、善人さまばかりのお集まりだからでありましょう。
私の家は悪人ばかりがそろっていますので、ケンカにはならないのです。
ただそれだけのことです」
てっきり皮肉られているのだと、A家の主人は激怒して、
「そんなばかな!!」と、言おうとしたとき、B家の奥で大きな音がした。
どうも皿かお茶碗でも割ったようである。
「お母さん、申し訳ありませんでした。
私が足元を確かめずにおりましたので、大事なお茶碗をこわしてしまいました。
私が悪うございました。お許しください」
心から詫びている、お嫁さんの声がする。
「いやいや、おまえが悪かったのではありません。
先ほどから始末しようしようと思いながら横着して、
そんなところに置いた私が悪かったのです。
すまんことをいたしました」
と、続いて姑さんの声が聞こえてきた。
「なるほど、この家の人たちは、みんな悪人ばかりだ。
ケンカにならぬ理由がわかった」
A家の主人は感心して帰ったという。
(『光に向かって100の花束』より)
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ムカッとした時、必ず怒りの矛先があります。
「おまえが悪い!」
と言いたくなりますが、
でも、その前に考えてみる。
本当に「おまえが悪い」?
自分が受けた結果のすべては自分の蒔いた種です。
これに例外はありません。
ならば、まず見つめないといけないのは、自分の種まき。
自分のやった行為を反省すれば、必ず、
「自分のここがまずかった」という点が見つかります。
「原因なくして結果なし」だなぁ、と知らされます。
その上で、関わった相手と話をしてみれば、
一方的に責めるような言い方にはならないに違いありません。
“謗るまじ たとえ咎(とが)ある 人なりと
我が過ちは それに勝れり”
昔から教えられる歌ですが、心に刻みたいと思います。
◆ ひとりごと ◆

6月4、5日の親鸞聖人降誕会は、無事に終了致しました。
懐かしい人たちにも会えたので、うれしい2日間でした。
これを読んでくださっている方ともお会いできました。
ありがとうございました!
さて、今日の富山は、暑い一日でした。
30度を超えたところもあったようです。
そういえば、缶コーヒーを飲むと眠くなる理由、という記事がありました。
問題は原材料に含まれる「砂糖」。
だから、仕事の効率を上げるために飲むなら「無糖」がいいそうですよ。
(*^-^)
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