ぴょんたのひまわり日記・昭和50年ロンドン生まれの仏教講師です-青いアジサイ


「自分は短気で、すぐに腹を立てるから、何とかしたい」

という悩みを抱えている人は少なくないでしょう。

私も、実はその一人。

すぐに腹を立ててしまうんです。

「怒る」「腹を立てる」「ムカつく」というように表現される行為は、

周囲からはもちろん好まれないし、自分でもイヤに思います。

自分で起こした心なのに、腹を立てた後は、

自己嫌悪に陥ったり、後悔したり、嫌な気分になります。

そんな嫌な結果を生み出す種が、この「怒り」です。

仏教では、怒りは無謀に始まり、後悔に終わるものだから、

よくよく気をつけなさい、と教えられます。


こんな話があります。


怒りっぽい西洋のある主人、

使用人の不注意から夕食を小羊に食われてしまった。

目に角をたて叱りとばされた使用人は、

腹いせにストーブに入れる火を小羊の背中に投げつけた。

毛に火のついた小羊は驚いて小屋に飛び込み、

何千ともしれぬ羊の群れに火がつき、

ついに家まで焼いてしまった。


という寓話。


一人の怒りがどこまでも波及します。

「怒りは敵と思え」

「堪忍は無事長久の基」

怒りの蛇を、口から出すのは下等の人間。

歯を食いしばって口に出さないのが中等。

胸に蛇は狂っていても、顔に表さないのは上等の人。

(『光に向かって123のこころのタネ』より)


この怒りは、常に自分は正しくて相手が悪いと思う心より起こる、と教えられます。


実際に、自分が腹を立てている状況を思い返してみると、

確かに、「自分が正しい」「相手は間違っている」

と思っていることに気づかされ、反省させられます。


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ある所に、内輪ゲンカの絶えないA家と、

平和そのもののB家とが隣接していた。

ケンカの絶えないA家の主人は、

隣はどうして仲よくやっているのか不思議でたまらず、

ある日、B家を訪ねて懇願した。


「ご承知のとおり、私の家はケンカが絶えず困っております。

 お宅はみなさん仲よくやっておられますが、なにか秘訣でもあるのでしょうか。

 一家和楽の方法があったら、どうか教えていただきたい」


「それはそれは、別にこれといった秘訣などございません。

 ただお宅さまは、善人さまばかりのお集まりだからでありましょう。

 私の家は悪人ばかりがそろっていますので、ケンカにはならないのです。

 ただそれだけのことです」


てっきり皮肉られているのだと、A家の主人は激怒して、


「そんなばかな!!」と、言おうとしたとき、B家の奥で大きな音がした。

どうも皿かお茶碗でも割ったようである。


「お母さん、申し訳ありませんでした。

 私が足元を確かめずにおりましたので、大事なお茶碗をこわしてしまいました。

 私が悪うございました。お許しください」


心から詫びている、お嫁さんの声がする。


「いやいや、おまえが悪かったのではありません。

 先ほどから始末しようしようと思いながら横着して、

 そんなところに置いた私が悪かったのです。

 すまんことをいたしました」


と、続いて姑さんの声が聞こえてきた。


「なるほど、この家の人たちは、みんな悪人ばかりだ。

 ケンカにならぬ理由がわかった」


A家の主人は感心して帰ったという。

(『光に向かって100の花束』より)


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ムカッとした時、必ず怒りの矛先があります。

「おまえが悪い!」

と言いたくなりますが、

でも、その前に考えてみる。

本当に「おまえが悪い」?


自分が受けた結果のすべては自分の蒔いた種です。

これに例外はありません。

ならば、まず見つめないといけないのは、自分の種まき。


自分のやった行為を反省すれば、必ず、

「自分のここがまずかった」という点が見つかります。


「原因なくして結果なし」だなぁ、と知らされます。

その上で、関わった相手と話をしてみれば、

一方的に責めるような言い方にはならないに違いありません。


“謗るまじ たとえ咎(とが)ある 人なりと

 我が過ちは それに勝れり”


昔から教えられる歌ですが、心に刻みたいと思います。



◆ ひとりごと ◆


ぴょんたのひまわり日記・昭和50年ロンドン生まれの仏教講師です-赤いアジサイ


6月4、5日の親鸞聖人降誕会は、無事に終了致しました。

懐かしい人たちにも会えたので、うれしい2日間でした。

これを読んでくださっている方ともお会いできました。

ありがとうございました!


さて、今日の富山は、暑い一日でした。

30度を超えたところもあったようです。

そういえば、缶コーヒーを飲むと眠くなる理由、という記事がありました。

問題は原材料に含まれる「砂糖」。

だから、仕事の効率を上げるために飲むなら「無糖」がいいそうですよ。

(*^-^)


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