「幸せの法則」シリーズは続いてますが、ちょっと今回は違う話題を。

と言っても、まったく無関係ではありません。




昨日、載せた「我利我利」の話で思い出したのが「餓鬼」

私たちは、現在、人間界に生を受け、人として生きていますが、


やがて死んで肉体が滅びても、私たちの本当の生命は果てしなく続いてゆきます。


悠久の過去から、永遠の未来へと続く生命を、仏教では教えられています。


その生命は、六道(六界とも言う)という迷いの世界を、


ぐるぐる経巡っているのだよ、と教えられています。

これを六道輪廻(ろくどうりんね)と仏教で言われます。

その6つの世界の一つに、餓鬼界と言われる迷いの世界があります。

餓鬼は、骨と皮ばかりに痩せていているのですが、


腹は山の如く大きく、のどは針の如く細い姿をしています。

ひまわり日記・親鸞会の講師の一人はこんな人-餓鬼.jpg

(画像は餓鬼のイメージ図。ちょっとリアルに描いてみました)

常に飢えと渇きに苦しみ、食べ物や飲み物を口元に持っていくと、


炎となってしまい、飢えと渇きが満たされることのない苦しみの激しい世界が、


餓鬼界です。



よく、子供のことを「ガキ」とか「ガキんちょ」とか「ガキ大将」


のような呼び方をしますね。



小さい子供とお母さんの、こんな光景をよく見かけます。


ひまわり日記・親鸞会の講師の一人はこんな人-買って買って!

「ねぇ、お母さん、これ買ってぇ!!」(お菓子を差し出して)

「だぁめ! ほら、戻しなさい」

「ねぇ、買ってよぉ!」

「ダメったら、だぁめ!」

「ねぇ、買って!買って!買って!買ってぇ!」(ダダをこねる)

とにかく、子供は欲しがるので、そういう姿を「餓鬼」に重ねて


「ガキ」と呼んだのでしょう。



「欲しい」「欲しい」と欲しがることしか知らないのが餓鬼だからです。


大人に対しては「ガキ」とは言いませんよね。

なぜなら、大人は、人に与える喜びを知っているから、と思いたいです。


よく奥さんが「うちの旦那はねぇ……」と話してますけど、


この「旦那」という言葉は、実は仏教の言葉です。

昔のインドでは、「布施の行」のことを「ダーナ」と言って、


それを音訳したものが「檀那」(だんな)。

今は「旦那」と書くのが一般的ですね。

やがてそれが「布施をする人」の意味になりました。



臓器提供者のことを「ドナー」と言いますが、「ダーナ」と語源は同じようです。


だから、「旦那」は、「布施をする人」ということになりますね。

布施というのは、


恩を受けた人や困っている人に、


物やお金、時間や体力を施すこと。

平たくいえば「親切」です。


家庭に、仕事で稼いだお金を入れてくれるから、


主人を「旦那」と呼ぶようになったのかわかりませんが、


今は共働きも多いし、場合によっては奥さんの方が稼ぎが良かったりして……。

そうなると、奥さんのほうが旦那サン??かもしれませんね。


でも、「布施」で大切なのは施しをする「心がけ」

仕方なく、いやいや施すのは「布施」とは言いません。

また、見返りを期待して施すのも「布施」とは言われません。


布施は、


「相手に喜んでほしい、幸せになってほしいと願う心」


でするものです。


そうは言っても、人にお金や物を施す、というと、


自分の手元からお金や物がなくなるので、損する感じがします。

そんな私たちに、お釈迦さまは、


布施をする相手を、田んぼと思いなさい、と教えておられます。


「田んぼに?それはどうして?」

と思うでしょう。


春、田んぼに苗を植える時に、

「せっかく育てた苗を、植えてしまったら手元になくなって損だ」

なんて思う人があるでしょうか?

そんな人、考えられませんよね。

なぜなら、秋にできるたくさんのお米は、


全部その人のものになるのですから。

ひまわり日記・親鸞会の講師の一人はこんな人-田んぼの話


同じように、施しをすれば、


それは自分の手元からなくなって相手のものとなり、


受け取った相手が恵まれますが、


何よりも、施しをした人が、施した何倍もの“幸せ”という結果を


受けることになることを、お釈迦さまは教えられているのです。

だから、損をするどころか、その反対なんです。

仏教ではこれを「自利利他」(じりりた)と教えられています。

相手の幸せが、そのまま自分の幸せになる


ということなんです。


施すのは、物やお金だけでなくて、


優しい笑顔や言葉で相手に接することも、


すばらしい布施の行いだと教えられてます。


お金が欲しい、物が欲しい、誉められたい、認められたい、


ああなりたい、こうなりたい……、欲しい、欲しいと


自分の欲を満たすことばかりを考えている人は、


たとえ姿は大人でも、心は餓鬼で、


苦しみ悩みが絶え間なくやってきます。


相手の幸せが、そのまま自分の幸せになる自利利他の道を進む人は、


与える喜びを知った人でしょう。


「旦那」と呼ばれる人は大勢いますが、


本当の意味で「旦那」と呼べる人はどれだけあるでしょう?


相手に喜んでほしい、幸せになってほしいと願う心で、


与えることを喜びとして生きる人にお互いなりたいものですね。

一緒に、がんばりましょう!!


■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■


明日、6月4日で、天安門事件から20年となります。

中国で、大学生や市民・労働者らによる民主化への要求運動を、


武力で鎮圧した事件でした。

その頃、私は父の仕事の関係で、香港に住んでいました。

その時、中学校2年生(香港日本人学校中学部に在籍)だった私は、


秋に修学旅行で北京に行く予定だったのですが、まだ危険ということで、


急遽、行き先が変更になり、タイのバンコクに行きました。

中国の歴史や、観光地のことをクラスのみんなで事前に調べたことも空しく、


よくわからないままバンコクに行ったことは、今もハッキリ記憶に残っています。

もう20年も経ったんだなぁ、としみじみ思いますが、


さて、中国はあれからどう変わったのでしょう?

国内総生産(GDP)は過去20年で20倍近くに拡大し、


2007年にドイツを追い抜いて、日米に続き世界3位になりました。

貿易総額は23倍に増え、世界3位、貿易黒字額は世界1位です。

外貨準備高は130倍以上に激増し、これまた世界1位。

しかし、中国国内での政治に絡んだ様々な問題は絶えることがありません。

世界経済が混乱している中で、中国の動向、非常に気になります。

国際情勢にも、強い関心を持たねばなりませんね。

(※参照:読売新聞 6/3社説)




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