今日の富山は、雨。風も吹いてます。
三寒四温
と言われますが、今朝は、昨日よりあたたかく感じました。
少しずつ、春に近づいてますね。
さて、昨日の話の続き、今回は後編です。
・・・・・・・・・・
「この剣で百人殺し、その指で首飾りを作れ。それで悟りの道は完備する」
あまりに残忍な行為を強いる師の言葉を、恐懼しながらオークツマラは聞いていた。
差し出された刀の怪しいきらめきに魅入られ、ためらいながら柄を取る。
ちらりと覗いた師の顔は、一瞬、醜くゆがんで見えた。
が、ここまで来たら、もう逆らうまい。
ゆっくりと立ち上がった全身には、もう迷いは消えている。
やがて街へと走りだしたその目は、次第に狂気をはらんでいった。
事の起こりはこうだ。
師の留守中、その妻がオークツマラに密通を迫ってきた。
恩師の妻と不倫など、とても考えられなかった彼は、どうにか諌めて自室に逃げ戻った。
"……恐ろしいことだ"
胸を占めた嫌悪感から、初めは師妻をかたくなに拒んだが、その裏に、こんな思いが潜んでいたと気づいて戦慄する。
"憎からず思う二人。通じて何が悪い。きっと隠しおおせるに違いない"
自分こそ情欲の塊ではないか。思う先から、さらに浅ましい心がわいてくる。
"不倫に手を染め、万一にでも露見すれば、師の寵愛も失い、ここも石もて追われる身となろう。いずれが得か……"
この損得勘定が最後には働いて、踏みとどまったのが正直なところ。
そう気づいた時、疑念が転じてある思いがひらめいた。
"……もしやあれは、この私の浅ましさを悟らせようと、お師匠様が計らった芝居ではあるまいか。
そうすれば彼女のあの不可解な行動も説明がつく……"
師への無垢な買いかぶりが彼をがんじがらめにする。
"あの方に間違いはない"。
信じ切ろうと力む。その純真さは悪師に出会った時、悲劇の種子となる。
自分には"素質"がある。
善良を装った顔の下に、よくもこれだけ凄惨な所業をなす器量があったものだ。
他人事のようにオークツマラは、血にまみれた己が全身を眺め回す。
ドス黒い達成感が心を酔わせている。
初めの一人こそためらったが、ひとたび手を染めれば、あとは林で槙を刈るようなたやすさで、手当たり次第に剣を振り回した。
力任せの太刀が、肉を切り裂き、頭蓋をたたき割る。
道行く者は老少男女を問わずに殺し、その指を切ってつなぎ、見る見るうちに紅に染まった鬘(※)を作り上げた。
※かずら:首や身体の飾り
悪バラモンの敷いた破滅への道を、彼はひたすら驀進する。
死体は累々と積まれ、ついに九十九人までになった。
だれ言うとなく彼をオークツマラ(指鬘:しまん)と呼んだ。
狂鬼のごとく最後の一人を求めていた時、目の前に現れたのは"生みの母"であった。
わが子の所業をうわさに聞き、驚いてやってきたのだ。
彼にはもう、だれかれの見境もなかったが、さすがに愛する母に会い、心が動揺する。
麻痺した心にも懐かしく温かい感興がよみがえり、しばし人間らしい心が戻った。
その時、彼の目にもう一つの影が映る。
仏陀釈尊であった。
見るが早いか、母に向いていた身体を反転し、釈尊めがけて猛然と突進した。
ところがどうしたことか、一歩も前進できない。
彼は焦って鋭く叫ぶ。
「沙門よ、止まれ!」
釈尊は、静かに応じられる。
「我は止まれり。止まらざるは汝なり」
奇異な答えに、彼は大いに驚いてワケを尋ねる。
「そなたは邪教にだまされて、みだりに人の命を奪おうと焦っている。
だから少しも身も心も安らかになれぬのだ。
我を見よ。
生死を超えて何ら煩うところがない。
惑える者よ。早く悪夢より覚めて無上道に入れ」
釈尊の尊容と無上の威徳に接して、さしもの悪魔外道も慟哭し、たちまち敬虔な仏弟子となっている。
後日、托鉢中の彼を見て、道行く人が言った。
「あれはオークツマラではないか。憎むべき殺人鬼だ」
呼応するように人々が群れ集まってくる。
手に手に石を取り、刀を持って攻撃してきた。
手向かわぬ彼は大衆のなすがまま、深傷を負い、ようやく逃れて、仏陀のもとに戻ってきた時は虫の息だった。
仏の教導により、自己の造った悪業が、このような報いを招いたと知り、忍んで受け入れたのである。
「わが弟子の中、法を聞いて早く悟ること、指鬘のように勝れた者はなし」
釈尊は言われたという。
(おわり)
・・・・・・・・・・
おそろしい殺人鬼が、お釈迦さまの教導で、勝者と転じ変わったエピソード。
優れた教えにあうことで、人はここまで変われるのだな、と思いました。
(*^-^)
■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■
今日のお昼ご飯は、すごかった☆
なんと、「モツ鍋」!!
幸せ気分になりましたぁ~♪
冬といえば、鍋料理。
個人的に好きなのは、キムチ鍋~☆
最近、辛めのものが好きになってきた私。
でも、刺激物だから、あまり胃にはよくないのかな??
最近の研究によりますと、人間はもちろん、ほとんどの動物には、長寿遺伝子というのが備わっているそうです。
普段はスイッチはオフになっているのですが、これをオンする方法が見つかったとの朗報です。
それは単純なことで、摂取カロリーを制限することだそうです。
「腹八分が長寿の秘訣」という話がありますが、科学的にも証明されたことになります。
たまにはいいのかもしれませんが、くれぐれも食べすぎには注意!!ですね♪
ブログランキングに参加しています。
愛のワンクリックで応援よろしくです☆
↓
にほんブログ村
人気ブログランキング
□━●━○━●━□
ぴょんたの
ひまわり日記
■━○━●━○━■
[発行人]
森安秀邦(ぴょんた)
[Profile]
昭和50年4月13日、ロンドンで生まれ、5歳で日本へ。
英語はすでに忘れ、日本語で精一杯(笑)
小学生のときは、サッカーに没頭。
中学時代は、香港で過ごし、
高校時代は、陸上部(種目は400mH)でした。
スポーツも好きですが、美術系も好きです。
大学は工学部環境工学を専攻してました。
ベイクドチーズケーキと肉ジャガが大好物。
職業は、仏教(浄土真宗)の講師。
浄土真宗親鸞会の講師として法話や勉強会などで話をしています。
▼ よろしければ、お友だちにも紹介してくださいね (^^)/
配信希望は「ひまわり希望」とメールでお知らせ下さい。
→ h-moriyasu0193@nifty.com
▼ ひまわり日記 ~浄土真宗布教使のつぶやきブログ~☆
→ http://ameblo.jp/go-go-pyonta/
▼ ひらけ!ひまわり!!
→ http://d.hatena.ne.jp/pyopyongapyonta/
▼ 悩めるぴょんたの決断日記
→ http://pyopyongapyonta.blog26.fc2.com/
▼ 親鸞会公式ホームページはこちらへ☆
→ http://www.shinrankai.or.jp/
▼ 仏教の内容を、もうちょっと深く学んでみたい、という方は、
気軽にお声をかけてください。
お近くの勉強会をご案内します☆
→ h-moriyasu0193@nifty.com
▼ 配信停止は「配信停止希望」とメールでお知らせください。
→ h-moriyasu0193@nifty.com
発行部数:93部(目指せ100部!!)