昨日、一昨日は富山でした。
一昨日は、北陸は雪で、その中、世界遺産で有名な五箇山の合掌造りを見てきました。
(画像参照)
雪がしんしんと降って、幻想的で素敵でした。
途中、合掌造の集落の中にある喫茶店でぜんざいを食べました。
寒い中、あつあつの白玉ぜんざいは、一段とおいしく感じました。
(画像参照)
今回は、2回に渡って、お釈迦様の時代の話を紹介しましょう。
・・・・・・・・・・
ひとしきりぐずって眠りについたわが子を、キサーゴータミーは静かに寝台に戻した。
苦しいのか胸がせわしなく上下する。
口を半開きにし、汗を浮かべてあえぐ寝顔もあどけなく、彼女は息子をじっと眺めた。
いとおしさが胸に広がる。ようやく授かった子宝を、初めて胸に抱いた日を思い出す。
小さな体、命一杯の泣き声、しぐさや表情の一つ一つが愛らしく、どれだけ眺めても飽きない。
母となってから、毎日が満ち足りていた。
“熱もおさまったみたいだし、昼にはお医者さまへ連れていこうかしら”
坊やは昨夜から機嫌が悪い。突然、獣のような声で激しく泣いた。忍耐強く彼女は、乳を含ませ、おしめを探る。
熱を見たり、発疹はないかと確かめもした。眠りが浅く、たびたび目を覚ます。
その繰り返しで昨夜は明けた。それがさっき、ようやく寝息を立て始めたのである。
彼女の体はクタクタだったが、“今のうちに、洗濯を済ませておかなくちゃ”と、手早く洗い物をまとめ、起こさぬように注意して川へ走った。
幼子を抱え、毎日の家事に終わりはない。さあ、急がなくちゃ、と仕上げて家に帰り着くと、泣き声は聞こえない。
ホッとして物干しに取りかかった。しばらく眠ってくれれば家事がはかどる。赤子を背負っての重労働を避けられたことが、彼女には幸いに思えた。
どれほど経ったろう。家事に熱中していたキサーゴータミーは、ふと我に返った。
もう昼が近い。“静かすぎる”。
違和感を覚え、胸騒ぎがした。
慌てて寝台に駆け寄り、赤ん坊の頬に手を当てる。
かすかなぬくもりはあるが、わが子は息をしていなかった。
胸を拳で一突きされたような衝撃とともに、脈拍が上がり、思考は節度を失った。
急いで赤ん坊を抱きかかえると、一目散に医師の元へ駆け出した。
「先生、坊やが……坊やがおかしいんです」
乳児を抱いた主婦が目を異様に光らせ、息せき切って駆け込んできた。
老爺(ろうや)は一瞥(いちべつ)し、無言のまま左手で診察台を指して促す。
女が寝かせた嬰児は、両の手を握り締めたまま硬直し、ピクリとも動かない。
一目で事切れているのが分かった。
医師は力なく首を振った。何かを語ったのだが、愛児の異変に理性が飛んだ母親に、医師の言葉はもう聞こえない。
赤子の亡骸(なきがら)を抱き上げると、狂わんばかりに往来へ飛び出した。
「この子を、この子を生き返らせる人はありませんか!!」
鬼気迫る必死の形相で、キサーゴータミーは行き会う人々、だれかれとなくすがりついた。
「大事な一人息子なんです。ようやく授かった子です。どうか、どうか助けてください。
今は息をしていませんが、きっと吹き返すはずです。どこかに名医はおられませんか」
彼女の叫びが熱くなるほど、手立てのない哀れさ、悲しさは増していく。
遠巻きに眺めつつ、人々は涙を流したが、死者を生き返らせる法など、もとよりあろうはずがない。
あまりのことに見かねて、ある人が彼女にささやいた。
「舎衛城(しゃえじょう)にまします仏陀・釈迦牟尼に聞かれるがよい」
沈み切っていた彼女の表情にかすかな光がさした。
初めて聞く御名だが、あらたかな修行で力を得られた方に違いない。
愛児の笑顔が再び見られると固く信じて彼女は、すでに冷たくなり始めたわが子の骸(むくろ)を大事に抱え、舎衛城へ走り出した。
(つづく)
・・・・・・・・・・
■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■
昨晩は、急行「きたぐに」という電車に乗って新大阪まで移動。
深夜2時30分ごろ、富山の高岡駅を出て、朝6時40分頃に新大阪駅に着く、という電車です。
背もたれが倒れない直角のイスなので、寝にくいことこの上ない電車です。
その後は、新幹線で岡山まで移動。
新幹線は、個人的に「こだま」が好きです。
新大阪-岡山間は、のぞみとか使うと、あっという間に着いてしまうんですね。
しかも、ちょっと込んでいたりして…。
でも「こだま」号は、自由席が多いので、たいてい空いていて、しかも左右2席ずつのゆったりシート。
各駅停車ですから、少し時間も遅めです。
遅めと言っても、それでも新幹線は早いですけどね(笑)
皆さんは、新幹線は何がお好き?
∧ ∧
♪~(^~^ )
┏━━○━○━━┓
┃ぴょんたの ┃
┃ ひまわり日記┃
┗━━━━━━━┛
[発行人]
Hidekuni Moriyasu(ぴょんた)
[Profile]
昭和50年4月13日、ロンドンで生まれる。
英語はすでに忘れ、日本語で精一杯。
高校時代は、長崎で過ごし、陸上部に所属。
大学では工学部の環境工学を専攻。
ベイクドチーズケーキと肉じゃがが大好物。
現在、浄土真宗の講師として活動中。
▼ よろしければ、お友だちにも紹介してくださいね (^^)/
配信希望は「ひまわり希望」とメールでお知らせ下さい。
→ h-moriyasu0193@nifty.com
▼ バックナンバーは、ここから見れます☆
→http://ameblo.jp/go-go-pyonta/
▼ 岡山、大阪、広島、鳥取では、不定期のプチ勉強会を開いてます。
日記の内容を、もうちょっと深く学んでみたい、という方は、
気軽にお声をかけてくださいね☆
→ h-moriyasu0193@nifty.com
▼ 配信停止は「配信停止希望」とメールでお知らせください。
→ h-moriyasu0193@nifty.com
発行部数:104部(目指せ150部!!)
一昨日は、北陸は雪で、その中、世界遺産で有名な五箇山の合掌造りを見てきました。
(画像参照)
雪がしんしんと降って、幻想的で素敵でした。
途中、合掌造の集落の中にある喫茶店でぜんざいを食べました。
寒い中、あつあつの白玉ぜんざいは、一段とおいしく感じました。
(画像参照)
今回は、2回に渡って、お釈迦様の時代の話を紹介しましょう。
・・・・・・・・・・
ひとしきりぐずって眠りについたわが子を、キサーゴータミーは静かに寝台に戻した。
苦しいのか胸がせわしなく上下する。
口を半開きにし、汗を浮かべてあえぐ寝顔もあどけなく、彼女は息子をじっと眺めた。
いとおしさが胸に広がる。ようやく授かった子宝を、初めて胸に抱いた日を思い出す。
小さな体、命一杯の泣き声、しぐさや表情の一つ一つが愛らしく、どれだけ眺めても飽きない。
母となってから、毎日が満ち足りていた。
“熱もおさまったみたいだし、昼にはお医者さまへ連れていこうかしら”
坊やは昨夜から機嫌が悪い。突然、獣のような声で激しく泣いた。忍耐強く彼女は、乳を含ませ、おしめを探る。
熱を見たり、発疹はないかと確かめもした。眠りが浅く、たびたび目を覚ます。
その繰り返しで昨夜は明けた。それがさっき、ようやく寝息を立て始めたのである。
彼女の体はクタクタだったが、“今のうちに、洗濯を済ませておかなくちゃ”と、手早く洗い物をまとめ、起こさぬように注意して川へ走った。
幼子を抱え、毎日の家事に終わりはない。さあ、急がなくちゃ、と仕上げて家に帰り着くと、泣き声は聞こえない。
ホッとして物干しに取りかかった。しばらく眠ってくれれば家事がはかどる。赤子を背負っての重労働を避けられたことが、彼女には幸いに思えた。
どれほど経ったろう。家事に熱中していたキサーゴータミーは、ふと我に返った。
もう昼が近い。“静かすぎる”。
違和感を覚え、胸騒ぎがした。
慌てて寝台に駆け寄り、赤ん坊の頬に手を当てる。
かすかなぬくもりはあるが、わが子は息をしていなかった。
胸を拳で一突きされたような衝撃とともに、脈拍が上がり、思考は節度を失った。
急いで赤ん坊を抱きかかえると、一目散に医師の元へ駆け出した。
「先生、坊やが……坊やがおかしいんです」
乳児を抱いた主婦が目を異様に光らせ、息せき切って駆け込んできた。
老爺(ろうや)は一瞥(いちべつ)し、無言のまま左手で診察台を指して促す。
女が寝かせた嬰児は、両の手を握り締めたまま硬直し、ピクリとも動かない。
一目で事切れているのが分かった。
医師は力なく首を振った。何かを語ったのだが、愛児の異変に理性が飛んだ母親に、医師の言葉はもう聞こえない。
赤子の亡骸(なきがら)を抱き上げると、狂わんばかりに往来へ飛び出した。
「この子を、この子を生き返らせる人はありませんか!!」
鬼気迫る必死の形相で、キサーゴータミーは行き会う人々、だれかれとなくすがりついた。
「大事な一人息子なんです。ようやく授かった子です。どうか、どうか助けてください。
今は息をしていませんが、きっと吹き返すはずです。どこかに名医はおられませんか」
彼女の叫びが熱くなるほど、手立てのない哀れさ、悲しさは増していく。
遠巻きに眺めつつ、人々は涙を流したが、死者を生き返らせる法など、もとよりあろうはずがない。
あまりのことに見かねて、ある人が彼女にささやいた。
「舎衛城(しゃえじょう)にまします仏陀・釈迦牟尼に聞かれるがよい」
沈み切っていた彼女の表情にかすかな光がさした。
初めて聞く御名だが、あらたかな修行で力を得られた方に違いない。
愛児の笑顔が再び見られると固く信じて彼女は、すでに冷たくなり始めたわが子の骸(むくろ)を大事に抱え、舎衛城へ走り出した。
(つづく)
・・・・・・・・・・
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深夜2時30分ごろ、富山の高岡駅を出て、朝6時40分頃に新大阪駅に着く、という電車です。
背もたれが倒れない直角のイスなので、寝にくいことこの上ない電車です。
その後は、新幹線で岡山まで移動。
新幹線は、個人的に「こだま」が好きです。
新大阪-岡山間は、のぞみとか使うと、あっという間に着いてしまうんですね。
しかも、ちょっと込んでいたりして…。
でも「こだま」号は、自由席が多いので、たいてい空いていて、しかも左右2席ずつのゆったりシート。
各駅停車ですから、少し時間も遅めです。
遅めと言っても、それでも新幹線は早いですけどね(笑)
皆さんは、新幹線は何がお好き?
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昭和50年4月13日、ロンドンで生まれる。
英語はすでに忘れ、日本語で精一杯。
高校時代は、長崎で過ごし、陸上部に所属。
大学では工学部の環境工学を専攻。
ベイクドチーズケーキと肉じゃがが大好物。
現在、浄土真宗の講師として活動中。
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