おはようございます☆

今日は富山に来てます。

すがすがしい天気です。

では、今回はこんな話を紹介しましょう。


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能『羽衣』には、人間の姿が、天女の涙で描かれています。


舞台は、駿河の国、三保(みほ)の松原。

波が静かに打ち寄せる浜辺に、緑の松林が続いています。


すがすがしい朝日を浴びて、地元の漁師、白竜(はくりゅう)が砂浜を歩いていました。

すると、どこからともなくよい香りが漂ってきます。

松の枝に、美しい衣が、掛けられているではありませんか。


「おお、これは素晴らしい」


手にとって、持ち帰ろうとすると、木の陰から一人の女性が現れました。


「待ってください。それは私の衣です」


「何を言うか。拾った俺の物さ。家の宝にするんだ」


「それは、天人の羽衣です。人間には必要のない物です。お返しください」


「ほう、そんな珍しい物ならば、なおさら返すことはできないよ」


「なんて悲しいことを言われるのですか。羽衣がなければ、私は、空を飛べません。天上界に帰ることもできないのです。
 どうか、お願いですから、返してください」


「いやだ!」


白竜は突っぱねました。


天女は泣くばかりです。

しかし、悲しみに打ち震える姿が、あまりにも痛ましく、白竜は、次第に、かわいそうになってきました。


「では、天人の舞を見せてくれれば、衣を返してやってもいいが、どうだ」


「たやすいことです。舞をお見せしましょう。そのためには、まず、衣を返していただかないと…」


「まてまて、この衣を返したら、舞を見せずに、そのまま天に昇ってしまうつもりだろう」


天女は、静かに答えました。


「いいえ、疑いは人間界にしかありません。私たちの天上界には、うそ偽りというものはないのです」


「いや、これは恥ずかしい…」


白竜から羽衣を受け取った天女は、美しい曲を奏でながら、舞を披露し、歌いながら、天へ帰っていくのでありました。


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能『羽衣』は、室町時代の世阿弥の作です。


白竜は、他人の物を奪おうとし、さんざん天女を悲しませているのに、自分の姿が見えていません。
そのうえ、うそをつくのではないかと他人の指摘までしています。


そんな自分を非難することなく、
「うそ偽りは人間界にしかないのですよ」
と優しく語りかける天女。


白竜は、その言葉に、わが身の醜い姿が照らし出されて、
「恥ずかしい」
と叫ばずにおれませんでした。


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自分の姿を見つめる時間、大事にしたいですね。

(*^-^)


○~思い出日記~○


今日の思い出日記はお休みさせていただきます☆

m(_ _)m


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発行人:Hidekuni Moriyasu

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