バルト三国リトアニアはデジタル化がもっとも進んだ国として有名だが、第2次世界大戦後、ソ連という大国の中の一部に編入され、自治を奪われてしまわれた時期がある。
ソ連の崩壊によって、リトアニアは自治を取り戻し、その際に、電子の中に政府を構築することによって、たとえ同士が世界中に離散しても、サイバー空間の中で、同胞たちが、したたかに生きていけるようにするということだった。
その話を聞いて、これは今の地方でも同じことがいえるのではないかと思った。
平成の大合併を経験し、元あったまちはなくなった。
何百年と続いた、地域がなくなったが、依然として、そのアイデンティティは残り続けているように思う。
となれば、リトアニアよろしくサイバー空間に、その自治体を残し、日本中に散らばった人々の心のよりどころのようなものがあれば、形こそなくなっても、それは地域として存在していけるのではないか…
そんな思いがしてきた。
ふるさとから、まったく距離をおいて生きていってもそれは人の自由だ。
しかし、ふるさとに多少の未練やつながりのある人が、たとえ1日でも、1時間でも自分のふるさとに思いを馳せるようなそんなサイバー上の自治体があってもいいのではないか…
今、デジタルの世界がそれを可能にし、もしかすると、これまでとまったく異なる古くて新しいコミュニティが存在し続けるのではないか、そんな思いがしてきた。
地域というつながりをもった人通しがつながるサイバー空間上のふるさと。
もしかすると、おもしろいことができそうな気がする。