続けることに価値があること | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

昨日は地蔵盆…

 

 
多くの地区で、地蔵盆の行事はコロナウイルス禍で中止にしたという声を聞く。
 
実は、うちの村でもどうするかという議論はあった。
僕は形を変えてでも、やったほうがいい…
そう言って実現することができた。
 
うちの村では、『子ども念仏』とそれに続く『菓子撒き』がある。
 
昔、男子が何人もなくなるということがあった。
それから、盂蘭盆会、つまりは8月14日のお盆の前49日間、毎夕方、子供たちは地蔵堂に集まり、毎日念仏を唱えるようになった。
 
49日目である14日には、子供たちは村の一戸一戸を訪ね、玄関先、あるいは軒先から、仏壇の方を向って念仏を唱える。
各家は、そのお布施として、金員を包み渡す。
 
集まったお金は、一部は子供たちのお小遣いになるのだが、そのお金で地蔵盆に参るためのお菓子を買う。
 
地蔵盆では、地蔵堂に買ったお菓子を備えお参りし、最後に、お堂から、地区の子供たち、小学4年生になるまでの幼児、念仏に参加しない女の子、また地域の皆様にまき散らし、それを拾って、おすそわけをいただく。
 
そういう行事だ。
 
僕ももちろん経験してきたし、私の父の時代も、そして、今生存している村の長老(90は越えている)もみんな経験してきた。
だから、少なくとも100年以上は続く行事だと思う。
 
一連の行事はそもそも子供たちの幸せと健康を願うものであり、いままさに疫病が流行っているが、それらから安泰を守ることだ。
だから、その行事そのものがなくなるということはありえないのだ。
 
今年は、菓子撒きをやめ、みんなに配ることでそれに代えた。
ちょっと、人が集まったことで密になる場面があって、そういう批判もあるだろうけど、伝統行事をやり続けて、後世に伝えていくこともまた大事なことだと思う。
 
先輩から、後輩へ、伝統を引き継ぐ。
そうした中で人のつながりがあり、またそうしたことで、組織を率いること、また他所のおうちに行くときの作法だったり、あいさつだったり、さまざまな学んできた。
 
地元大笹が、スキー場というものがあって、なんとか地域が存続しているのも、もとをただせば、永年こんな行事をつないできて、人と人とのつながりが強固であったからかもしれない…
 
私はそう思っている。