
明日は地元でザゼンソウ祭りが開かれます。
ですが、1か月ほどまえの会議で
『この祭りの意義はなんなのでしょうか…、この行事にコミットメントできないのならもうやめたほうがいい』、
と関係者に申し上げ、ひんしゅくを買ってます。
いや、いいんです。ひんしゅくを買っても。
いつからこの祭りが開催されるようになったのかは覚えていないのですが、私が、社会人になってからはずっとこの祭りを実施しているよう思います。
大笹(ハチ北の正式な地域名です)のザゼンソウ群落は、兵庫県指定の天然記念物になっています。
近畿圏では、滋賀県高島市に同様にザゼンソウ群落をみることができますが、正直、ハチ北のほうが規模はすごいと思います。
それぐらいここの群落の規模は突出しています。
なので、ほんとに貴重な群落であることには間違いありません。
そういう場所ですから、植物に関心がある人や、花が好きな人を中心にけっこうな数のひとたちがここを見に訪れます。
せっかく人があつまるところなんだから、そこで何かお祭りをして、盛りあげよう
そうやってできた祭りだったと思います。
日本各地には、植物園などがそうですけど、美しい花々を観れるような場所でお金をとっているところはたくさんあります。
だから、それと何ら変わりないわけですが、根本の発想が抜けているような気がしているのです。
『私たち村の財産、だからこれからもここを守っていくために周辺の環境を整備したりしながら、ずっと後世にも伝えなければならない…。』
私たちはそこに根本的な発想をもたなければなりません。
もし、祭りを開催するにしても、そこの思想を失ってはいけません。もしそれ抜きでこの祭りを開いても単なるにぎやかしにしかならないと思うし、本当にそれで人を呼ぶことが難しいと思うからです。
昨年、村の総会で数百万を使って、ザゼンソウ群落に密集している杉の伐採を行い、日当たりをよくしてザゼンソウの環境を整えるための予算を計上しました。
ザゼンソウの場所の整備にお金を投資しても、それを通じて私たちの生活が劇的になることはないかもしれないけれど、私たちの地域にあるとても貴重な場所なのだから私たちが『良く生きる』ためのきっかけをつくっていることに間違いありません。
そういうことが決断できる村なのですから、私たちはもう一度そこの原点に立ち返ってから、スタートを踏み切るべきです。