急がば回れ | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

何度も言うようですが、私は土建屋のおやじです(笑)

 

で、よく言われます…

『おめー、役持つの好きだなー』

 

⇒すいません。もし可能なら何にもしたくないです…

 

『おめー、土建業に精を出さずに、まちのことばっかりやってるけど大丈夫』

 

⇒会社?大丈夫じゃないです…

 

これが私の偽らざる私の本音です。

 

私の会社は建築土木の建設会社をやっています。

そして、売上の多くが公共事業となっています。

 

住宅専業のところは、民間100%のところは多くあるのでしょうが、地方の工務店においては少なからず、公共事業をしているところはあると思います。

 

まして、土木工事は、元をただせば、ほぼほぼ公共事業であります。

 

顧客は、地方公共団体、いや、もっと厳密にいえば、顧客は、住民の皆さま一人ひとりです。

 

公共事業で受注するためには、入札で安い金額を入れなくてはいけません。

 

マーケティングという観点でいえば、地方公共団体との関係性を構築し、特命で仕事をいただきたいのですが、残念ながら、それはできません(泣)

 

基本的には、公共工事において、顧客満足経営というのは存在しないのです。(実際には、公共事業の実績への点数評価があるので、その点数が高ければ、有利になる場合があるので、まったくゼロではないかもしれませんが…)

 

 

昔、田中角栄元首相は『日本列島改造論』をぶちあげ、中央に集まったお金を公共事業という形で地方に分散することによって、地方を活性化するという試みは、多くの支持を受け、インフラが地方に行き渡り、お金が地方に還流することによって、地方の経済は活性化した時代がありました。

 

しかし、それとは裏腹に、日本の人口がどんどんと都市部に集中し、日本創生会議の消滅可能都市に言われるよう、地方がこのままいけば消滅をしてしまうという事態を迎えつつあります。

 

ちょうど、田中角栄首相の頃は、日本は右肩あがりの成長を続けている頃でもあり、日本列島改造論は、まさに時代にフィットした考え方でありました。

 

時代が変わった今後、公共事業が継続されるためには、それをするための大義が必要となります。

 

道路をつくる必然性、施設を建てる必然性、砂防や堰堤をつくる必然性…。

 

誰も便益を受けない道路に、それがあると便利になるかも?という期待『だけ』のためには事業が進まない時代になってきています。

 

となれば、今ここに暮らす私たちが、発信し続けて、それが必要であるための行動が必要になるのです。

 

自分の家族におきかえるとわかりやすいです。

子どもに、これは便利だからとむやみやたらに買い与える親はいないはずです。

子どもががんばっている姿をみて、子どもがその必然性を訴えるから、

『よし、そこまで言っているんだったら買ってあげようかな』

ってなるのが普通です。

 

それは地方自治体でも一緒のことでしょう。

ある地方自治体ががんばっている、そしてそれが周りにも波及し、みんなの幸せにつながる、であろうと思うところに事業は実現されるのです。

 

まずは自分たちの住民がそのことを一生懸命考え行動するから、そこに公共のバックアップが実現する…そういうことだと思います。

 

自分の地域なくして、私たち公共事業に携わるものの仕事は存在しません。地域を守るということは、結局のところ、一人ひとりががんばっていこうという意思です。

 

 

そういう気持ちが萎えてしまえば、もう奈落の底につきすすむしかないのです。

 

私が一見遠回りなことをやっているのは、究極的には私の会社を守りたいからにほかなりません。

 

常に情熱を燃やし、前に進み続けること…、それが地域を守っていくことであり、自分たちの仕事を守っていくことであると思います。