昨日の朝一の記事 通り『洗替法』について書きます。
『洗替法』には、引当金の場合と資産評価の場合とに分かれます。
『洗替法』と違う方法として
1、引当金の場合、『差額補充法』
2、資産評価の場合、『切放法』
があります。
検索ワードに『賞与引当金』がありましたので『引当金』について書きます。
積み立てた引当金を一度ゼロにして再度引き当てるのが『洗替法』
差額を充当していくのが『差額補充法』
です。
《それぞれのやり方と使用例》
引当金には
「○○のために引き当てる。」
という理由が必要です。
3月決算の会社を例にして、賞与引当金、退職給与引当金を考えると
【賞与引当金】
賞与の算定を10月~3月の実績で行い、6月賞与を払う(対象基準:⇔暦日基準)としている会社は、
「6月で支払うと予想される金額を3月末までに引き当てないといけない」
という理由が生まれます。
「10月~3月の実績がこれだったら、6月の賞与は200円払うことになるだろうな。」と予想したら
~3月末 賞与引当繰入 200/賞与引当金 200
という伝票を起票します。
実際は200円ピッタリで払う訳ではありません。
実際に払った賞与が150円であった場合
6月吉日 賞与 150/現金 150
という伝票が起票されます。
払ったのが150円なので、150円の引当金の取り崩すと
賞与引当金 150/賞与引当戻入 150
50円の引当金が余ります。
来年の賞与支払を230円と予想すると、230円-50円で
~3月 賞与引当繰入 180/賞与引当 180
180円を新たに引き当てる方法が〔差額補充法〕です。
逆に、
支払が150円であったとしても、引き当てた200円を戻して
賞与 150/現金 150
賞与引当金 200/賞与引当戻入 200
新たに230円を引き当てる
賞与引当繰入 230/賞与引当 230
のが〔洗替法〕です。
賞与引当は「6月で支払うと予想される金額を3月末までに引き当てないといけない」という理由がありますし、
税務申告の際に別表4に記入しやすいので〔洗替法〕を採用する方が良いと思います。
退職給与引当金の計上理由は
「社員の退職金負担を勤続期間に応分に負担させるため。」
という理由があります。
退職金は、いつ発生するか分かりませんし、期間も長いですから〔差額補充法〕が良いと思います。
・引当金を積み立てる理由
・株主や金融機関への説明のし易さ
・申告書への転記のし易さ
・試算表の分かり易さ
などを考慮して、どんな方法を採用するか?を決めると良いです。
ただし、経理基準の変更は株主総会での決定事項ですので変更には充分な打ち合わせが必要です。
こんな感じで良いッスか?