秋です。
秋の夜長・・・いかがお過ごしですか?
ブログ部長・小澤です。
さぁ、読書の秋、そして映画の秋です
ぜひ、ミッドランドスクエアシネマにお出かけください。
そんな、皆様に~
お待たせいたしました!
60回カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞
「そして、父になる」
いよいよ、9月28日(土)公開です!!
しかし!「もっと早く観たい!!」という、
皆様の熱い熱い思いにお答えして、
先行上映が決定いたしました!
9月24日(火)~27日(金)先行上映!
是非、先行上映をミッドでご覧ください!
皆様のご来場を心よりお待ちいたしております
それでは、監督脚本を手掛けた
是枝裕和監督の取材の様子をお楽しみください。
今回の「取り違え」を題材にした監督の思いや、いきさつをお聞かせください。
福山さんとは以前、「今度、なにかやりましょう!」とお別れしまして、
今までやったことのない役がやってもらいたいなーって、
企画を4枚くらい書いていたんです。
心臓外科医もいいなー、でも白衣だし、湯川先生とかぶるし・・・
時代劇は竜馬とかぶるし・・・、そこで
自分も5歳児の父親なので、日々の気持ちを込められるかな?と思って、
「父親役はどうでしょうか?」とお話を持っていきました。
実は、娘が3歳の時に『奇跡』の撮影で1か月半ほど
家を空けた時がありまして・・・久しぶりに娘に会うと、
お互い緊張しちゃって・・・近寄ってこないんですよ(笑)。
「どうしよう」と思いましたね。
それからまた撮影に出かける時、「また来てね~」
と娘に言われ・・・
僕も笑って「いってらっしゃいでしょ~」って言いましたが、
内心ショックで
この時、娘との三年がリセットされた気がして
“血だけじゃだめだ、同じ時間を過ごしていないと、
居ても居なくてもいい人になってしまう!”と
危機感を感じましたね。
それからは、夜中に帰っても早起きして、娘の顔を見て、
幼稚園に見送ってから、寝る・・・という感じで、
がんばりました(笑)。
なので「取り違え」という、時間が共有できなかった親子の
物語ですが、“血の繋がりか、過ごした時間か”という
テーマは、僕にとっても切実なテーマでした。
どうして、監督のお子さんは娘さんですが、物語の時は“娘”ではなく“息子”なんですか?
そうですね、娘ではなく“父親と息子の物語”というのは、
僕と父親の関係や距離感が影響していると思います。
これは、福山さんと夏八木さんにも重ね合わせている部分があります。
僕の父親は子煩悩ではなかった(笑)。
今みたいに「イクメン」なんてね!考えられなかった(笑)。
実は。。。お正月に凧揚げをやっている家族がいて、
娘に「あれやりたい」って言われたんですが、
実は僕もやったことなくて、父親と。
言い訳として、「あれは、男の子の遊びだよ」って逃げました(笑)。
実際、子育てって、自分がされたことが参考になるというか。
あの時、意外と嫌がっていた父親に似ている自分に気づいたんですよね。
今回、映画を撮って、家族と一緒にいよう・・・と実感しましたね。
監督の作品によく使用される“良多”と言う名前には、なにか思い入れがあるんですか?
福山さんが演じた“良多”は実は高校のバレー部の後輩の
矢○君の名前で(笑)。
“良いことが多くある”いい名前じゃないですか??
矢○君に「今回もつかわせてもらうよ」と報告すると、
「今度は誰ですか??」って聞いてきて、
「福山雅治さんです。」というと即、「OKです!」と(笑)。
福山さんが演じた“良多”は福山さんのカッコよさやクールさを
生かしながら二人で役作りをしました。
「カッコいいけど、いるよな~こんな嫌なサラリーマン」
て見えるように(笑)。
福山さんは、全然嫌な人じゃないんで、
むしろ、僕の嫌な部分が出てます(笑)。
映画のシーンでもあるんですが、見えないところで悪口を言う、
みたいな(笑)。
面と向かって言わない方がリアルですよね、悪口って(笑)
リリーさんが演じた電気屋の親父もモデルがいまして・・・
高校の4つ上の先輩です。
電気屋じゃないんだけど、なぜか子供に大人気で、
しかも、なんでも直せるんですよ!しゃくにさわる(笑)
嫉妬です・・・。
しかし、リリーさんは、子供の扱いがうまいですよ!
どんないきさつで、このタイトルをつけたんですか?
実は、映画が完成してからスタッフに募集をかけて、
その中にこの「そして、父になる」があって。
一目で、「これだっ!」って決めました。
では、監督は、「父」になれましたか(笑)?
いや~僕はまだまだです(笑)。
【完】
《物語》
大手建設会社に勤め、都心の高級マンションで妻・みどりと息子と暮らす野々宮良多。
ある日、産院からの電話で6歳になる息子が取り違えられた他人の子だと判明する。妻は気付かなかった自分を責め、一方良多は優しすぎる息子に抱いていた不満の意味を知る。
良多は相手方の家族と戸惑いながらも交流を始めるが、群馬で小さな電気店を営む斎木雄大とゆかり夫婦の粗野な言動が気に入らない。
過去の取り違え事件では100%血のつながりをとるというが、息子に一心な愛情を注いできたみどりと、温かで賑やかな家庭を築いてきた斎木夫婦は、育てた子を手放すことに苦しむ。
早いほうがいいという良多の意見で、ついに“交換”が決まるが、そこから、良多の本当の“父”としての葛藤が始まる―