☆前回の続き☆
電話で見つけた病院に40分かけて駆け込み、
「あの、あの…!」
と、焦り丸出しで受付で声を出したところ
「先程のお電話の方ですね」
とめちゃ優しい声で言われ、ホッとしすぎてコクコクとうなづくしかできなかったわたし。
今なら当時のわたしに、まぁ落ち着けやと言えるけど、あの時は無理。
混み合う待合室を通り抜けて、そのまま処置室に案内され、急いではっさくをケージから出す動物看護師さん。
お腹を押しながら、ごめんねぇ嫌だよねぇってゆったりと声をかけてくれて、それでもずっと手つきはスピーディ。
「完全に詰まってますね」
わかってはいたけど、改めて聞くとすごくショック。
すぐに先生が入ってきて、今すぐ処置をしますと言われ、待合室で待つことに。
その間、恐らく10分くらいだけど、頭の中はずーーーっと
「はっちゃん、はっちゃん、助かって、お願いはっちゃん」
の堂々巡り。
さっきとは違う診察室に呼ばれて真っ先に目に入ったものは真っ赤になったペットシーツ。
そして、尿を無理やり出してもらって少し目つきに力が出てきたけど、ぐったりしたままのはっさく。
でも、やっとおしっこ出来たんだ…と少しホッとしました。
詰まったものを膀胱に押し込んで開通させたこと。
血液検査の結果を見て正式に決まるけど、ほぼ間違いなく入院になること。
押し込んだものが、出る時にまた詰まる可能性があること。
などなど、聞けば聞くほど恐怖で震えてしまう。
結局、血液検査の結果が悪すぎて即入院。
状態が悪すぎて、入院中に亡くなる可能性もかなりある、と説明を受け、その場合も訴えませんと書かれた書類にサインを求められた。
異常な数値の並んだ結果を見て絶望的な気持ちと、でもここなら治療してもらえるという希望の混じった気持ちでグチャグチャになりながらサインをした。
この時の血液検査の結果の紙を取っておけば良かったんだけど、あの時はその紙が目に入るだけで怖くて辛くて悲しくて、家でビリビリに破って捨てた。
治った今だから、見返したいと思えるけど、あの時はその数字に絶望しか見いだせなくて、破るしかなかった。
先生と看護師さんに、はっさくをお願いします、と声を小さく絞り出して頭を下げることしか出来ないわたし。
点滴を過信しなければ、もっと早く気づいてあげれば、って後悔の気持ちを吐き出すわたしに、
「気づかれずに亡くなっちゃう子もたくさんいます。気づいて連れてきてくれてありがとうってはっさくちゃんは言ってますよ」
と言ってくれた看護師さん。
この時も、この後も、この人にどれだけ救われたことか…。
なんだかまだつづく。