もともと、九州の片田舎で80年以上も暮らしてきた義両親です。
義父は典型的な九州男児。

生活に関わる事、すべてを義母がやってきたようです。
義父がお風呂に入る時は着替えまで用意して。もちろん“男子台所に入るべからず”の生活様式ゆえ、義父は、やかんでお湯ひとつ沸かせません。

そんななかで、義母の歩行障害が出始めた頃田舎の病院を受診しても、原因がわからず、大きな病院(地元から車で2時間半くらいかかる九大病院)で精密検査をしてください、と言われ、義母は不安をかかえながらも、どうにか家の中を、這うようにして家事をやっていたそうです。
義父はいっこうに手伝う気配もなく、偉そうにしていたと。
堪りかねた義母は義父に
「離婚してください」と切り出したところ義父は大激怒したそうです。


それから病院の紹介状をもって上京しこちらの病院で3ヶ月の検査入院を経て病名発覚。私たちと同居はじめて1年9ヶ月、義母はこの間、難病のレスパイト入院など入退院を繰り返してます。


義母が退院して心配だった事は、義父とのケンカ、もめ事。

認知症の義父は義母の難病、、多系統萎縮症の現実を理解できていません。
自分の世話を義母にやらせようとします。義母は室内では4点歩行機でゆっくりゆっくり歩きますが、何かに捕まっていないと自力で立っていることごできません。
そんな義母に、着替えをだせとか、九州へ帰る話合いをするからこっちへこい、とか指図するのです。

そして自分が失敗をして、落ち込んだり何か気に入らない事があると
「九州にかえる、今から荷物をまとめろ
と義母に命令します。

義母はそれを言われる度に、
「帰りたいけど、こん体だから、帰ってもなーんもできん、、、」と返答するのが精一杯。
この返答に対して、義父のイライラは増幅するのです。

「なんでだ、なんで何もできんのか、
手も足もあるのに」
「おまえは努力が足りん」
「人間じゃない」

義母に対して言葉の暴力ですわ。

義母はこんな事を言われる度に悲しくなって、
「なんで、こんな病気になったんやろうか、、、」とメソメソし出すのです。

義母には、義父へはっきりと
「私は病気で自分の事が精一杯、あんたのお世話はできないから九州に帰るなら自分ひとりでかえってください。」
と言ったほうがいいよと、それとなく何度も諭してきて、やっと言えるようになりました。

それを言われても義父は納得するはずはなく、
「それは本心じゃない誰かが言わせてる」とか、義母からこの言葉を、聞く度に、「初めて聞いた」と、まったく理解と納得には及びません。

義父と義母が揉めて義父の気持ちがエスカレートしてくると義母を足で蹴ったりもします。

ですので、家では二人っきりにできない。
義母にとって入院は義父からの解放でもあるのです。

が、この度、義母が退院してきて、今日で3日めですが、揉め事まだおきていません。

義父は初めて認知症の興奮を抑えるお薬を処方してもらって飲みだしています。
日中、眠ってる時間も増えてきました。
目が醒めるといつもおかしな事を、口走りますが。

おかげで、義母にあれこれ指図することもなく、今のところは。
義母に対しての攻撃もみられません。

なので、少しホッとしてるとこです。



茶茶子