[ちょっとだけネタバレ注意!]

第163回(2020年上半期)直木賞候補作⑤
澤田瞳子「稚児桜 能楽ものがたり」
能の楽曲を題材に描かれた8つの短編集。
ほぼ、元となる能楽は知らず。
でも、美しい風景描写と細やかな人物描写に、なんとなく頭の中で和楽器的な笛や太鼓が優美に鳴っているイメージで読めました。
そして同じく素人知識で、能ってなんとなく、人間関係ドロドロとか、怨念とか、復讐とか、決して明るくハッピーではないイメージなんだけど、澤田さんの整った文章のせいか、それもまた下世話にならずに、少し悲しく哀れで、美しささえ感じられます。
特に表題作稚児桜のお稚児さんの少年と、山姥の遊女の舞が絶対的に泣けるほど美しいんだろうな。
#これだけ単独で写真撮ってなかった💦
