[ちょっとだけネタバレ注意!]
第163回(2020年上半期)直木賞候補作①
馳星周「少年と犬」
いやぁ~、泣いちゃいましたわ。昔飼っていた家のバカ犬(でも可愛い💓)を思い出して…。
この本の主人公(犬?)は全然違って超賢いんですけどね。
連作集で、犬が旅をしながら色々な人と出会い、別れるという、私の大好きなロードムービー型ストーリーなのですが、必ずしも毎回ハッピーエンドでは終わらない…それがかえって嘘っぽくなく、「あぁ、現実ってやっぱりそうだよね」ってリアルに思える。
その犬は[孤独の匂い、死の匂いを嗅ぎ分けた]ってフレーズが途中出てきてからは、更に次の死を予感してしまってドキドキしながら読み進めるんだけど、最後の章での圧倒的な幸福感に束の間酔いしれ…でも、やはり訪れる死。
でもでも、そこで終わらない希望と再生。旅先で出会ってきたそれぞれの死にも、描かれていないその先にきっと再生があったと信じさせてくれるようなお話でした。
また、作中の底には[震災・被災]がテーマとして流れていますが、そこからの復興の力も強く感じさせてくれました。
あ~、また犬が飼いたい‼️