某撫子店からの帰り道。
バスに乗り、座ってウトウトしていると
女性が一人横に立った。
既にタンクが空になっていた私は
顔を見たりしようとする気も起きず
再び眠りに落ちようとしていた。
その時、微かに
ある匂いが漂ってきた。
こういう状況で、よく
アロマの匂いをかぐと
セラピストさんなのかな、とか
思ってワクワクすることもある。
だが、この時漂ってきた
匂いは・・・
ザー臭?( ̄□ ̄;)!!
私は反射的に
自分の衣服の匂いを嗅いだ(笑)
だが違うようだ。
いくらなんでも、脱衣かごまで
相当距離があったし、最近はもう
そんなに飛ぶとは思えないという
厳しい現実もある(悲)
やはりこの匂いは・・・
車内の広告をぼんやり
眺めるふりをして、女性の顔を
盗み見る。
薄暗い車内なので
よくは見えなかったけれど
アラフォーくらいの
幸薄そうな女性だった。
眠くはなかったが
私はまた目を閉じた。
「欲望」だとか「業」だとか
そんな言葉のイメージ映像が
瞼の奥でどろどろと渦を巻いて
動いているのが見えた。