某撫子店にて
一仕事を終え、
嬢はシャワーの準備をしに
退室していった。
午後のまだ早い時間だ。
遮光カーテンの隙間から
陽の光が微かに差し込んでいる。
このまま少し昼寝していきたいなと
思いながら、うつらうつらしていた。
窓の外から、近所の子供たちが
遊んでいる声が聞こえる。
私は目を開いた。
子供の頃の私は
友達もあまりいなくて
家で一人で遊ぶのが好きだった。
そのくせ学校では
仲間外れにされるのが怖くて
面白くも無い遊びに無理に加わり
愛想笑いを浮かべて
必死に毎日を過ごしていた。
あの頃の自分が見ていた光景が
脳裏に浮かんだ。
よく頑張ったな
子供の頃の自分を褒めてあげたかった。
友達なんて今もいない。
しかしもう私は
愛想笑いを浮かべて
他人のご機嫌を伺う必要はない。
自由だ
心の底からそう、感じた。