その嬢は、正直言って容姿は
好みのタイプではなかった。
しかし、なかなかのπ乙を持ち、
気立ての良い嬢であった。
おそらく再訪はしないだろう。
しかし、この時間だけはお互いに
楽しもうと思い、私にしては珍しく
饒舌になり、嬢を褒め、下ネタ話を
連発して大いに雰囲気は盛り上がり
初回なのに、やや過剰なサービスを
してくれて終了となった。
嬢は私に好意を持ってくれたようだ。
また来てくれる?と嬢は問い
勿論来るよと、私は答えた。
再訪する気など無いくせに。
私は深い自己嫌悪に陥った。
おそらく嬢もそれは
わかっていたのだろう。
そういう客を何人も経験してきたに
違いない。また来るよと言って・・・
帰り際のドアで私を見送る時、
寂しそうな表情をしていた。
たかが遊びではないか。
こんな気持ちになっても、
明日にはもう忘れているだろう。
だからせめて今日ここに
記しておこうと思った。