昨日に引き続き、第84回選抜高等学校野球大会・大会2日目を観戦に甲子園球場に足を運んだ。
第1試合・九州学院(熊本) 対 女満別(北海道)
第2試合・天理(奈良) 対 健大高崎(群馬)
第3試合・石巻工(宮城) 対 神村学園(鹿児島)
女満別・石巻工、二校の21世紀枠からの選出校、昨秋の九州大会を制した神村学園の登場などが見所だろうか。
昨日は開幕日、また「ダル対決」で盛り上がりを見せただけに反動で客足は鈍かった。
公式発表で9,000人となっているが、目測ではそれよりも少ないように見受けられた。
また、今日に限らず夏の選手権大会と比較すると一目瞭然の集客力の違いは何に起因するものなのだろうか。
第1試合からは九州学院・萩原英之を取り上げてみたい。
1年生で出場した夏の甲子園では17打数8安打(1本塁打)、3盗塁と鮮烈な甲子園デビューを果たしている。
しかし、その後は打撃面では好不調の波を行ったり来たり、必ずしも順調とは言い難い成長過程。
守備位置も三塁手・二塁手・一塁手を変遷して今大会は背番号8、中堅手として登録されている。
女満別戦では遊撃内野安打、右前適時安打、右前安打と5打数3安打の活躍でチームを勝利に導いた。
しかし、窮屈なスイングで空振りをすると何度も体の開きやスイングの軌道を確認するような仕草をしていた。
「清原以来の1年生4番の甲子園弾」の影響なのか、遠くに飛ばそうという意識が強く作用しているように見受けられる。
インパクトで左肩が下がり、ヘッド軌道が外旋するためにインコースのストレートには対応が難しい。
ボールを捉える技術は一流であり、中距離打者としてスイングを見直すことで一皮剥けるのではないだろうか。
第2試合からは健大高崎・三木敬太を取り上げてみたい。
身長170cm、体重68kgというサイズに示されているように高校野球の投手としては小柄に分類される。
ストレートは120㌔台から130㌔台中盤ということで特筆すべき凄みや威圧感を持ち合わせていない。
三木の特長は、リリースポイントを打者寄りにする意識の強さと実行力ではないだろうか。
右足を目一杯踏み込み、右腕で体の開きを抑制することで撓りを利かせて左腕が遅れて振り抜かれる。
投球練習から直線的な重心移動と、打者に近いリリースポイントを心掛けているように見受けられた。
スライダー、カーブ(スローカーブ)、チェンジアップの制球も良く、安定感たっぷりの投球内容。
近畿大会準優勝の天理を相手に打者34人に対して奪三振2ながら被安打7、失点3で完投した。
第3試合には東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻市にある石巻工が登場した。
昨秋の宮城県大会準優勝の実績を評価されて、21世紀枠での選出で春夏通じて甲子園初出場を決めた。
一塁側アルプススタンドには学校関係者以外にも多くの高校野球ファンが駆け付けて大声援を送り続けた。
石巻工は0-4と神村学園にリードを奪われた四回裏に一挙に五点挙げて試合を引っくり返した。
残念ながら直後の五回表には五点を奪い返されて、試合はそのまま神村学園が9-5で勝利した。