北信越大会・日本文理対東京都市大塩尻 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

引き続き、北信越大会の模様。二日目、第一試合・日本文理(新潟1位)対東京都市大塩尻(長野2位)戦のレポートを。

日本文理は一昨年の夏の甲子園準優勝、更には今春のセンバツ出場と新潟を代表する強豪校。
センバツ帰りの新潟大会優勝の勢いをそのままに、準備運動から機敏で統率された動きに自信が漲っていた。
キャッチボール・シートノックの動作、所作にも近年の好成績に裏打ちされた貫禄と自信が溢れている。


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日本文理の登場にネット裏は、ほぼ満員のエコスタ


この試合の注目は、09年夏(当時一年生)の甲子園準優勝メンバーに名を連ねた日本文理・湯本翔太である。
湯本は中学三年の秋、日本文理が出場した北信越大会・準決勝を観戦し、同校への進学を決めた。
後に夏の甲子園で準優勝する日本文理へ長野から越境入学を決めた先見の明と当時の決断力は見事である。


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日本文理の湯本翔太(一塁側から)


09年夏、11年春と二度の甲子園出場経験があり、合計7試合で26打数7安打、打率.269を記録している。
昨秋の公式戦打率は.388(二塁打5・本塁打1)を記録するなど北信越地区を代表する好打者である。

湯本の特徴は投手の踏み込む足が着地する寸前からテイクバックを始めるという始動の遅さにある。
遅過ぎる嫌いもあるが、変化球への柔軟な対応を意図しているのではないだろうか。
スイングスピードの速さ、ヘッドが最短距離でボールに向かっていくなど打撃基礎の水準が高い選手である。
「高卒プロ入り」というほどの完成度の高さは無いが、大学・社会人を経由してプロ入りは十分に見据えられる。


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日本文理のエースナンバーを背負った波多野陽介


日本文理は二年生の波多野陽介を先発マウンドに送り出した。176cm・62kgという投手としては細身な体型の右腕。
センバツでエースナンバーを背負っていた田村勇麿は背番号10を付けてベンチに控えていた。

波多野はセンバツで二回戦九州国際大付戦で四回途中から二番手としてマウンドに上がっている。
センバツで準優勝する強打の九国打線を相手に4イニング1/3を被安打3・奪三振4で無失点に抑える投球内容。

ちなみに田村は糸魚川中学で県大会優勝、波多野は五泉北中学で県大会三位の実績を挙げている。


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波多野の特徴的なフィニッシュ


波多野はノーワインドアップから引き上げた左足とグラブで小気味よく反動を付けながら投げ込んでくる。

腕の振りは典型的なアーム式投法でありながら、不思議と伸びのあるストレートが低めにコントロールされてくる。
球速は目視で130㌔台中盤、センバツでは最速144㌔を計測しているように速球投手と評価できる。
誰の目にも明らかなアーム式投法ではあるが、結果が伴っているから改善を試みないのだろうか。

波多野のように投手としての基礎技術を備えている場合、アームを改善するだけで大きな飛躍が期待出来る。
高校野球で競技生活を終えるなら改善する時間が惜しいが、野球人として先々を見据えるなら改善を試みてもらいたい。


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敗れた都市大塩尻ナイン


試合の詳細は高校野球情報.comを参照下さい。