伝統の早慶戦 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東京六大学野球、早稲田大対慶応大による伝統の早慶戦を観戦に神宮球場に足を運んだ。

斎藤佑樹・福井優也・大石達也が抜けて大きく負け越し5位に沈む今季の早稲田大が早慶戦で意地を見せられるか。
慶応大は昨年からの主力が残り、全校から勝ち点を奪取しての完全優勝を目指すという好対照な今季の両校。


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空席が目立った一塁側・早稲田スタンド


両校の今季の戦績、更にはファンの期待を表わすかのようにスタンドの集客にも明暗が出ている。
一塁側・早稲田スタンドは空席が目立ち、三塁側・慶応スタンドは試合開始前から立錐の余地も無かった。
昨年も月曜日に行われた早慶戦での観客動員と比較すると特に早稲田の凋落ぶりが目立つ。
ちなみに昨年は26,000人を集客した月曜日の早慶戦が、今年は10,000人まで落ち込んでいる。
目視観測では一万人を切っていたように見える程、昨年までの盛況からトーンダウンした今年の早慶戦。

「月曜日の早慶戦」(弊ブログ・10年6月1日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10550660741.html


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満員御礼の三塁側・慶応スタンド


三回表、慶応大は1番・辰巳智大(3年・郡山)の中前安打、2番・金田将賢(4年・土佐)が四球を選び、3番・山﨑錬(3年・慶応義塾)が死球、二死満塁とする。
三冠王を射程圏に捉えた、4番・伊藤隼太(4年・中京大中京)が右翼線への適時二塁打で二点を先制する。
更に5番・宮本真己(4年・慶応)が中前安打で二点を追加して4-0とする。

「二死走者無し」の場面からの先制点に慶応の優勝に懸ける集中力と執念を感じる攻撃だった。


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慶応優勝の歓喜の瞬間


早稲田大は先発した横山貴明(2年・聖光学院)から高梨雄平(1年・川越東)、大野健介(4年・静岡商業)、有原航平(1年・広陵)、高橋哉至(4年・富山東)と小刻みな継投で慶応打線を封じる。
大野以外は1イニングのみの登板で、打者の目先を変えると同時に各投手の集中を高める事が狙いだろう。

高梨、有原は入学間もない一年生ながら中盤以降のリリーフで投手陣の柱となってしまった。
二人は苦しい早稲田投手陣の象徴的な存在であると同時に経験値を積み上げ来季以降の活躍を期待したい。
斎藤・福井・大石のドラ1トリオがフル稼働した間に下級生の育成を怠ったツケを払わされているように映る。


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試合終了後、両チームの整列


早稲田大は六回裏に慶応守備陣の失策、八回裏には地引雄貴(3年・木更津総合)の適時打で一点差まで詰め寄る。
最終回、2番・佐々木孝樹(3年・早稲田実)が中越三塁打で二死三塁と一打同点の好機を演出。
3番・土生翔平(4年・広陵)はフォーク、チェンジアップで追い込まれ最後は150㌔の速球で三球三振。

慶応大は二季ぶり33回目の優勝を全校から勝ち点を奪う完全優勝で飾った。
立教大・明治大戦は初戦に敗れてから勝ち点を奪ったように粘り強い戦いぶりが印象的であった。

昨秋は首位打者に輝き、主将として最終学年を迎えた土生の不調がそのまま早稲田の低迷につながった。
09春秋、10春秋と四季連続して三割を超えていた打率は今季は.188と大ブレーキ。
三番打者を務める土生の打点がゼロではチームが低迷するのは致し方ない。


試合の詳細は東京六大学野球連盟・オフィシャルホームページを参照下さい。


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試合後のスコアボード