近畿大会で智弁和歌山(対立命館宇治)の試合を観戦した。
当然のように、皇子山でも、あのユニフォームを着た選手達が目の前で躍動している。
智弁和歌山の試合は観戦した全ての試合が記憶に鮮烈だ。
甲子園での06年夏の帝京戦、08年夏の常葉菊川戦。
二試合ともに飛び交う打球の鋭さに日頃の鍛錬が透けて見えた気がした。
それでは、智弁和歌山の魅力を三点に集約して簡単に紹介してみたい。
①強力打線
筆頭には毎年のように作り上げてくる強力打線である。
智弁和歌山野球部OBの方と偶然、酒の席で隣り合わせになった事がある。
入学早々、140kmに設定したマシンを相手に打撃練習を続けたという。
バットに当たっても、当たらなくても、力量に合わせてスピードを下げる事はなかったらしい。
「そのスピードが打てなければ、甲子園では勝てない」という無言のメッセージだったのではないだろうか。
現在、同様の打撃練習をしているかは定かではない。
しかし、高嶋監督の甲子園出場、勝利への妥協無き姿勢が伺い知れるエピソードである。
②独自性の高い応援
二つ目は野球の本筋からは脱線するが独自性の高いブランスバンドの応援である。
話は逸れるが「ブラバン甲子園」が発売されて以来、加速度的に応援に独自性が無くなった。
早実の「大進撃」、慶応の「突撃のテーマ」などの専売特許は瞬く間に各校に拡散してしまった。
それはまるで「その土地ならでは」のお店が、全国規模に展開していくチェーンビジネスに似てる。
そんな昨今にも限らず、智弁和歌山は独自の応援スタイルで野球部を支える。
まず、打者毎に楽曲変更をしない。イニング毎に曲目が決定事項になっている。
もはや全国的に定番曲になった「アフリカンシンフォニー(アフリカンマーチ)」。
元祖は他校という説もあるが、これほどの広がりは智弁和歌山の活躍に因るところだろう。
魔曲と言われる「ジョックロック」は相手を飲み込むような大迫力で迫り来る。
8回に演奏される事が定番らしいが、ここぞの場面ではイニングに関わらず演奏される。
智弁の猛攻シーンのBGMには必ず「ジョックロック」が流れていると言っても過言ではない。
この楽曲の独特のテンポと猛攻の歴史が、相手校や球場全体を智弁和歌山ペースに引き込んでゆく。
③ユニフォーム
生成り色をベースに、帽子のCと胸文字、アンダーシャツ、ストッキングに配された鮮やかな紅色。
「智辯」の文字を中核に紅色が球場の黒土や芝生に良く映える。
書体は独特で兄弟校・智弁学園以外にあまり似た例を見ない。
他校のユニフォームと一線を画し、趣きの異なる文字が威圧感を放っているようにさえ感じる。
個人的な見解で智弁和歌山の魅力を3つにまとめてみた。
数字資料が見付からなかったが、甲子園での観客動員は平均で3万人以上という説がある(はず)。
たしか2000年以降では、群を抜く数字での一位だったと記憶している。
不確かな情報で申し訳ないが、これもまた智弁和歌山の魅力を端的に表している。
明日は近畿大会の二試合で気になった選手に関してレポートしてみます!