音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~ -2ページ目

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ポーランドのワルシャワで開催されている、第19回ショパン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

10月15日は、3次予選の第2日。

ネット配信を聴いた(第2日前半後半)。

ちなみに、第19回ショパン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第18回ショパン国際ピアノコンクールが終わって

1次予選 第1~4日

1次予選 第5日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

2次予選 第3日

2次予選 第4日

3次予選 第1日

 

 

 

 

 

以下、曲はいずれもショパン作曲である。

 

 

 

 

 

第2日(10月15日)

 

 

35. Xiaoxuan LI (China, 2001-12-21)

 

Mazurka in G sharp minor Op. 33 No. 1

Mazurka in C major Op. 33 No. 2

Mazurka in D major Op. 33 No. 3

Mazurka in B minor Op. 33 No. 4

Sonata in B flat minor Op. 35

Scherzo in C sharp minor Op. 39

 

ピアノはスタインウェイ。

音楽的にも技術的にも水準以上で、妙なクセもないし、特に文句はない。

ただ、他のコンテスタントたちのような、圧倒的な技巧だとか迫力だとか、美音だとかロマン性だとか、これぞといった彼ならではの強みが何かあるかというと、難しいところか。

 

 

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21)

 

Mazurka in A minor Op. 59 No. 1

Mazurka in A flat major Op. 59 No. 2

Mazurka in F sharp minor Op. 59 No. 3

Prelude in D flat major Op. 28 No. 15

Sonata in B flat minor Op. 35

Berceuse in D flat major Op. 57

 

ピアノはファツィオリ。

若々しく情熱的な演奏。

若さゆえかやや無造作な箇所もあり、ソナタ第2番も先ほどのXiaoxuan LIの同曲演奏のようには整っていないけれど、そのぶん少し“アルゲリッチみ”があるというか、直感的な音楽の盛り上げ方が巧みで、聴後の充実感はこちらのほうがずっと上。

 

 

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12)

 

Variations in B flat major on a theme from Mozart’s ‘Don Giovanni’ (‘Là ci darem la mano’) Op. 2

Mazurka in E minor Op. 41 No. 1

Mazurka in B major Op. 41 No. 2

Mazurka in A flat major Op. 41 No. 3

Mazurka in C sharp minor Op. 41 No. 4

Piano Sonata in B minor Op. 58

 

ピアノはカワイ。

史上最高の技巧の持ち主ともいうべきKevin CHENに対抗できるのは今回彼のみ、といったところか。

この東西の横綱を比較すると、晴れやかで洗練されたKevin CHENの音に対し、Vincent ONGは鄙びた“木”の音がする。

また、常に完璧なKevin CHENに対し、Vincent ONGは多少のムラ気がある。

しかし、Vincent ONGが時折聴かせる“情念”は、常に品のいいKevin CHENからは決して聴かれないもので、走句の瞬発力や低音の強打の凄みは彼ならでは。

 

 

52. Piotr PAWLAK (Poland, 1998-02-20)

 

Rondo à la Krakowiak in F major Op. 14

Mazurka in B flat major Op. 17 No. 1

Mazurka in E minor Op. 17 No. 2

Mazurka in A flat major Op. 17 No. 3

Mazurka in A minor Op. 17 No. 4

Piano Sonata in B minor Op. 58

 

ピアノはカワイ。

おそらく、3次予選のコンテスタント中、技巧面で最も弱いか。

トップクラスのVincent ONGのすぐ後だけに、余計目立つ。

とはいえ、古き佳きポーランドを思わせる明るい音色が魅力で、ロンド・クラコヴィアクなど大変味わい深い。

前回大会(その記事はこちらなど)の第3位受賞者マルティン・ガルシア・ガルシアのような明るい個性派枠(?)でファイナルに進むこともあり得るかも。

 

 

53. Yehuda PROKOPOWICZ (Poland, 2005-11-16)

 

Mazurka in G sharp minor Op. 33 No. 1

Mazurka in C major Op. 33 No. 2

Mazurka in D major Op. 33 No. 3

Mazurka in B minor Op. 33 No. 4

Scherzo in E major Op. 54

Berceuse in D flat major Op. 57

Sonata in B flat minor Op. 35

 

ピアノはスタインウェイ。

一つ前のPiotr PAWLAKほどの明るい音色はないけれど、そのぶん技術的にはやや上であり、ミスはちょこちょこあるがそれなりにまとまっている。

いかにも古き佳きポーランドというわけではないが、マズルカではポーランドの味が出せており、バランスがいいとも言えるかも(Piotr PAWLAKくらい振り切った方がいいとも言えるが)。

 

 

58. Miyu SHINDO (Japan, 2002-04-26)

 

Mazurka in B major Op. 56 No. 1

Mazurka in C major Op. 56 No. 2

Mazurka in C minor Op. 56 No. 3

Sonata in B flat minor Op. 35

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

 

ピアノはスタインウェイ。

詩的というべきか、大声で叫ぶことをしない静的な演奏。

ソナタ第2番など、クライマックスらしいクライマックスのない解釈だが、それだけにかえって曲の陰鬱さが際立つ。

アンダンテ・スピアナートも、夢見るようなというよりは、何だか少しもの悲しい。

“わびさび”という形容が正しいかどうか、ぱっと聴いただけでは分からない、そこはかとない音楽表現、こういうものが審査員にしっかり評価されることを切に願う。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第2日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21)

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12)

58. Miyu SHINDO (Japan, 2002-04-26)

 

あたりである。

 

 

 

 

 

そして、まだ第3日は行われていないが、それを想像で補完しつつ、私がファイナルに進んでほしい10人を選ぶとすると

 

第1日

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26)

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11)

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05)

 

第2日

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21)

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12)

58. Miyu SHINDO (Japan, 2002-04-26)

 

第3日

64. Tomoharu USHIDA (Japan, 1999-10-16)

66. Zitong WANG (China, 1999-02-03)

06. Kevin CHEN (Canada, 2005-03-07)

39. Eric LU (USA, 1997-12-15)

 

あたりになる。

桑原志織に進藤実優に牛田智大、3人ともぜひ通過してほしいところだが、実際にはそううまくは行かないかもしれない。

祈るばかりである。

 

 

 

 

 

次回(10月16日)は3次予選の第3日。

3次予選の最終日である。

 

 


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10月14日は、3次予選の第1日。

ネット配信を聴いた(第1日前半後半)。

ちなみに、第19回ショパン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第18回ショパン国際ピアノコンクールが終わって

1次予選 第1~4日

1次予選 第5日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

2次予選 第3日

2次予選 第4日

 

 

 

 

 

以下、曲はいずれもショパン作曲である。

 

 

 

 

 

第1日(10月14日)

 

 

16. Yang (Jack) GAO (China, 2003-12-18)

 

Berceuse in D flat major Op. 57

Impromptu in G flat major Op. 51

Mazurka in G sharp minor Op. 33 No. 1

Mazurka in C major Op. 33 No. 2

Mazurka in D major Op. 33 No. 3

Mazurka in B minor Op. 33 No. 4

Piano Sonata in B minor Op. 58

 

ピアノはカワイ。

素朴な感じの演奏で、これはこれで良いのだが、他の錚々たる面々の華やかな演奏と比べるとやや地味か。

 

 

18. Eric GUO (Canada, 2002-08-01)

 

Ballade in A flat major Op. 47

Mazurka in A minor Op. 59 No. 1

Mazurka in A flat major Op. 59 No. 2

Mazurka in F sharp minor Op. 59 No. 3

Scherzo in B flat minor Op. 31

Impromptu in G flat major Op. 51

Sonata in B flat minor Op. 35

 

ピアノはスタインウェイ。

こちらも同様で、肩肘張らずに聴ける良さがあるが、これほどの面々の中からあえて選ぶかといわれると、どうか。

 

 

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26)

 

Mazurka in B major Op. 56 No. 1

Mazurka in C major Op. 56 No. 2

Mazurka in C minor Op. 56 No. 3

Sonata in B flat minor Op. 35

Impromptu in G flat major Op. 51

Waltz in A flat major Op. 42

Waltz in A minor Op. 34 No. 2

Scherzo in E major Op. 54

 

ピアノはスタインウェイ。

強靱な打鍵を持ち、充実した音が聴かれる。

音楽性は比較的あっさりしているが、決して大味にはならず、繊細さも兼ね備えており、音楽的にも豊かで迫力がある。

ソナタ第2番やスケルツォ第4番をはじめ、どの曲もクセや欠点はほとんどなく、3次通過は堅そう。

 

 

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11)

 

Scherzo in C sharp minor Op. 39

Mazurka in G sharp minor Op. 33 No. 1

Mazurka in C major Op. 33 No. 2

Mazurka in D major Op. 33 No. 3

Mazurka in B minor Op. 33 No. 4

Piano Sonata in B minor Op. 58

 

ピアノはスタインウェイ。

これでこそ桑原志織、1次のときの調子を取り戻した。

スケルツォ第3番にソナタ第3番、ともに彼女の風格を存分に活かした名演で、特に後者は雄渾にして壮大、まるでベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」のような大ソナタに聴こえる。

マズルカも、何気ないようでいて味がある。

甘口のショパン演奏の多い中、彼女の本格派仕立ての解釈は際立っている。

技術的にも、全く心配なし。

最有力優勝候補の一人といって間違いないだろう。

 

 

30. Hyo LEE (Korea, 2007-01-05)

 

Ballade in G minor Op. 23

Mazurka in A minor Op. 59 No. 1

Mazurka in A flat major Op. 59 No. 2

Mazurka in F sharp minor Op. 59 No. 3

Sonata in B flat minor Op. 35

Scherzo in C sharp minor Op. 39

 

ピアノはカワイ。

もちろんうまいのだが、彼としてはややこじんまりまとまってしまったか。

バラード第1番やマズルカは思ったより盛り上がらないし、ソナタ第2番も悪くはないがDavid KHRIKULIの同曲演奏の迫力に比べると物足りない。

ただ、スケルツォ第3番は彼らしい情熱的な演奏で良かった。

 

 

31. Hyuk LEE (Korea, 2000-01-04)

 

Impromptu in F sharp major Op. 36

Ballade in A flat major Op. 47

Mazurka in E minor Op. 41 No. 1

Mazurka in B major Op. 41 No. 2

Mazurka in A flat major Op. 41 No. 3

Mazurka in C sharp minor Op. 41 No. 4

Piano Sonata in B minor Op. 58

 

ピアノはスタインウェイ。

いかにも丹精込めた演奏とは違った、さらりと爽やかな音楽性は弟(Hyo LEE)と同じだが、こちらはさらに少しロマン性が加わって、「ショパンを聴いた」という確かな感触がある。

兄の威厳を示したといえるかも。

ただ、技術面では弟のほうが安定している。

総合的には、どちらも安泰とは言いがたいか。

 

 

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05)

 

Mazurka in A minor Op. 59 No. 1

Mazurka in A flat major Op. 59 No. 2

Mazurka in F sharp minor Op. 59 No. 3

Sonata in B flat minor Op. 35

Variations in B flat major on a theme from Mozart’s ‘Don Giovanni’ (‘Là ci darem la mano’) Op. 2

 

ピアノはスタインウェイ。

端正なみずみずしい演奏で、10代の頃のマウリツィオ・ポリーニを彷彿させる。

彼の真面目な芸風に合いそうなソナタはもちろんのこと、名人芸的なイメージのあるラ・チ・ダレム変奏曲も予想以上に良い演奏で、前回大会(その記事はこちらなど)の優勝者ブルース・リウの同曲演奏にも引けを取らない。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26)

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11)

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05)

 

あたりである。

特に桑原志織はまず落ちまいと思うのだが、どうなるだろうか。

 

 

 

 

 

次回(10月15日)は3次予選の第2日。

 

 


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ポーランドのワルシャワで開催されている、第19回ショパン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

10月12日は、2次予選の第4日(最終日)。

ネット配信を聴いた(第4日前半後半)。

ちなみに、第19回ショパン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第18回ショパン国際ピアノコンクールが終わって

1次予選 第1~4日

1次予選 第5日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

2次予選 第3日

 

 

 

 

 

以下、曲はいずれもショパン作曲である。

 

 

 

 

 

第4日(10月12日)

 

 

53. Yehuda PROKOPOWICZ (Poland, 2005-11-16)

 

Ballade in F major Op. 38

Mazurka in B flat major Op. 17 No. 1

Mazurka in E minor Op. 17 No. 2

Mazurka in A flat major Op. 17 No. 3

Mazurka in A minor Op. 17 No. 4

Rondo à la Mazur in F major Op. 5

Preludes Op. 28 No. 19-24

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

54. Hao RAO (China, 2004-02-04)

 

Barcarolle in F sharp major Op. 60

Preludes Op. 28 No. 13-18

Scherzo in C sharp minor Op. 39

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

55. Anthony RATINOV (USA, 1997-11-07)

 

Impromptu in A flat major Op. 29

Impromptu in F sharp major Op. 36

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Preludes Op. 28 No. 13-18

Scherzo in C sharp minor Op. 39

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

58. Miyu SHINDO (Japan, 2002-04-26)

 

24 Preludes Op. 28

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

60. Gabriele STRATA (Italy, 1999-06-09)

 

Bolero in A minor Op. 19

Preludes Op. 28 No. 7-12

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Nocturne in B flat minor Op. 9 No. 1

Scherzo in B flat minor Op. 31

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

64. Tomoharu USHIDA (Japan, 1999-10-16)

 

Rondo à la Mazur in F major Op. 5

Sonata in B flat minor Op. 35

Preludes Op. 28 No. 19-24

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

66. Zitong WANG (China, 1999-02-03)

 

Nocturne in F major Op. 15 No. 1

Ecossaise in D major [Op. 72 No. 1] (WN 13 nr 3)

Ecossaise in G major [Op. 72 No. 2] (WN 13 nr 1)

Ecossaise in D flat major [Op. 72 No. 3] (WN 13 nr 2)

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

Ballade in A flat major Op. 47

Presto con leggerezza in A flat major (WN 44)

Preludes Op. 28 No. 19-24

Mazurka in F minor [Op. 68 No. 4] (WN 65)

 

ピアノはカワイ。

 

 

72. Yifan WU (China, 2008-11-11)

 

Preludes Op. 28 No. 13-18

Fantasy in F minor Op. 49

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

73. Miki YAMAGATA (Japan, 2002-03-11)

 

Polonaise in A flat major Op. 53

24 Preludes Op. 28

 

ピアノはカワイ。

 

 

76. William YANG (USA, 2001-05-13)

 

Barcarolle in F sharp major Op. 60

Nocturne in B major Op. 32 No. 1

Nocturne in A flat major Op. 32 No. 2

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

Preludes Op. 28 No. 19-24

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

 

 

 

まだざっとしか聴けていないが、第1~4日を併せて、3次予選に進める人数である20人を選ぶとすると

 

第1日

03. Yanyan BAO (China, 2006-11-28)

06. Kevin CHEN (Canada, 2005-03-07)

 

第2日

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26)

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11)

30. Hyo LEE (Korea, 2007-01-05)

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05)

 

第3日

36. Zhexiang LI (China, 2005-12-28)

39. Eric LU (USA, 1997-12-15)

40. Philipp LYNOV (Individual neutral, 1999-01-06)

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21)

45. Nathalia MILSTEIN (France, 1995-06-04)

46. Yumeka NAKAGAWA (Japan, 2001-10-12)

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12)

 

第4日

54. Hao RAO (China, 2004-02-04)

55. Anthony RATINOV (USA, 1997-11-07)

58. Miyu SHINDO (Japan, 2002-04-26)

60. Gabriele STRATA (Italy, 1999-06-09)

64. Tomoharu USHIDA (Japan, 1999-10-16)

66. Zitong WANG (China, 1999-02-03)

76. William YANG (USA, 2001-05-13)

 

あたりになる。

進藤実優、牛田智大、山縣美季、みな会心の演奏で、甲乙つけがたいけれども、悩んだ末このように選んだ。

 

 

 

 

 

さて、2次予選の実際の結果は以下のようになった。

 

 

【3次予選進出者】

 

第1日

01. Piotr ALEXEWICZ (Poland, 2000-04-09)

06. Kevin CHEN (Canada, 2005-03-07) ○

16. Yang (Jack) GAO (China, 2003-12-18)

 

第2日

18. Eric GUO (Canada, 2002-08-01)

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26) ○

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11) ○

30. Hyo LEE (Korea, 2007-01-05) ○

31. Hyuk LEE (Korea, 2000-01-04)

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05) ○

 

第3日

35. Xiaoxuan LI (China, 2001-12-21)

39. Eric LU (USA, 1997-12-15) ○

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21) ○

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12) ○

52. Piotr PAWLAK (Poland, 1998-02-20)

 

第4日

53. Yehuda PROKOPOWICZ (Poland, 2005-11-16)

58. Miyu SHINDO (Japan, 2002-04-26) ○

64. Tomoharu USHIDA (Japan, 1999-10-16) ○

66. Zitong WANG (China, 1999-02-03) ○

72. Yifan WU (China, 2008-11-11)

76. William YANG (USA, 2001-05-13) ○

 

 

なお、○をつけたのは私が3次予選に残ってほしかった20人の中の人である。

20人中12人。

あまり当たらなかったけれども、まぁめぼしい人はだいたい残っているため、それほど不満はない。

晴れやかで大変に洗練されたKevin CHEN、音の響きや表現をこだわり抜いたEric LU、素朴なようでいてとんでもないキレ味をみせるVincent ONGが、優勝候補の3トップか。

だが、それ以外にもうまい人が何人もいて、どうなるかまだまだ分からない。

少なくとも技術的には、前回大会(その記事はこちらなど)よりもさらにハイレベルな闘いだと思う。

そんな中、桑原志織、進藤実優、牛田智大の3人も、音楽的な個性が確立しており、十分に優勝を狙えるだろう。

ぜひともがんばってほしい。

 

 

 

 

 

なお、今後の日程は以下の通り。

【3次予選】 2025年10月14日(火)~16日(木)

【ファイナル】 2025年10月18日(土)~20日(月)

 

 


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10月11日は、2次予選の第3日。

ネット配信を聴いた(第3日前半後半)。

ちなみに、第19回ショパン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第18回ショパン国際ピアノコンクールが終わって

1次予選 第1~4日

1次予選 第5日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

 

 

 

 

 

以下、曲はいずれもショパン作曲である。

 

 

 

 

 

第3日(10月11日)

 

 

35. Xiaoxuan LI (China, 2001-12-21)

 

Preludes Op. 28 No. 1-12

Scherzo in B minor Op. 20

Barcarolle in F sharp major Op. 60

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

36. Zhexiang LI (China, 2005-12-28)

 

Scherzo in C sharp minor Op. 39

Variations in B flat major on a theme from Mozart’s ‘Don Giovanni’ (‘Là ci darem la mano’) Op. 2

Preludes Op. 28 No. 19-24

Berceuse in D flat major Op. 57

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

39. Eric LU (USA, 1997-12-15)

 

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Preludes Op. 28 No. 7-12

Waltz in C sharp minor Op. 64 No. 2

Sonata in B flat minor Op. 35

 

ピアノはファツィオリ。

 

 

40. Philipp LYNOV (Individual neutral, 1999-01-06)

 

Ballade in A flat major Op. 47

Scherzo in C sharp minor Op. 39

Preludes Op. 28 No. 13-18

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21)

 

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

Rondo in E flat major Op. 16

Preludes Op. 28 No. 19-24

Variations in B flat major on a theme from Mozart’s ‘Don Giovanni’ (‘Là ci darem la mano’) Op. 2

 

ピアノはファツィオリ。

 

 

44. Ruben MICIELI (Italy, 1997-02-01)

 

Nocturne in C minor Op. 48 No. 1

Preludes Op. 28 No. 19-24

Scherzo in C sharp minor Op. 39

Ballade in A flat major Op. 47

Etude in C sharp minor Op. 25 No. 7

Polonaise in F sharp minor Op. 44

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

45. Nathalia MILSTEIN (France, 1995-06-04)

 

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Mazurka in A minor Op. 7 No. 2

24 Preludes Op. 28

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

46. Yumeka NAKAGAWA (Japan, 2001-10-12)

 

Polonaise in A flat major Op. 53

24 Preludes Op. 28

 

ピアノはカワイ。

 

 

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12)

 

Polonaise in A flat major Op. 53

24 Preludes Op. 28

 

ピアノはカワイ。

 

 

52. Piotr PAWLAK (Poland, 1998-02-20)

 

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

Preludes Op. 28 No. 1-12

Fantasy-Impromptu in C sharp minor [Op. 66] (WN 46)

Prelude in C sharp minor Op. 45

Allegro de concert in A major Op. 46

 

ピアノはカワイ。

 

 

 

 

 

まだざっとしか聴けていないが、第3日の演奏者のうち、私が3次予選に進んでほしいと思うのは

 

36. Zhexiang LI (China, 2005-12-28)

39. Eric LU (USA, 1997-12-15)

40. Philipp LYNOV (Individual neutral, 1999-01-06)

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21)

45. Nathalia MILSTEIN (France, 1995-06-04)

46. Yumeka NAKAGAWA (Japan, 2001-10-12)

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12)

 

あたりである。

みんなうまくて、ほとんど絞れなかった。

特に、10年前よりもさらにこだわりの表現で勝負にきている第4位受賞経験者のEric LUと、要所要所で目の覚めるような技巧を披露するマレーシアの新星Vincent ONGは、本命Kevin CHENの優勝を大いに脅かす存在だろう。

中国の若手2人(Zhexiang LIとTianyao LYU)も相当弾ける。

中川優芽花も、ミスを恐れぬ迫真の演奏で聴衆を魅了した(ミスが影響しないといいが)。

 

 

 

 

 

そして、まだ第4日は行われていないが、それを想像で補完しつつ、私が3次予選に進んでほしい20人を選ぶとすると

 

第1日

02. Jonas AUMILLER (Germany, 1998-08-06)

03. Yanyan BAO (China, 2006-11-28)

06. Kevin CHEN (Canada, 2005-03-07)

 

第2日

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26)

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11)

30. Hyo LEE (Korea, 2007-01-05)

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05)

 

第3日

36. Zhexiang LI (China, 2005-12-28)

39. Eric LU (USA, 1997-12-15)

40. Philipp LYNOV (Individual neutral, 1999-01-06)

41. Tianyao LYU (China, 2008-10-21)

45. Nathalia MILSTEIN (France, 1995-06-04)

46. Yumeka NAKAGAWA (Japan, 2001-10-12)

50. Vincent ONG (Malaysia, 2001-04-12)

 

第4日

54. Hao RAO (China, 2004-02-04)

55. Anthony RATINOV (USA, 1997-11-07)

58. Miyu SHINDO (Japan, 2002-04-26)

64. Tomoharu USHIDA (Japan, 1999-10-16)

66. Zitong WANG (China, 1999-02-03)

76. William YANG (USA, 2001-05-13)

 

あたりになる。

20人に絞るのは、なかなか難しい。

第4日も良いピアニストがたくさん控えているため、混戦が予想される。

 

 

 

 

 

次回(10月12日)は2次予選の第4日。

2次予選の最終日である。

 

 


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ポーランドのワルシャワで開催されている、第19回ショパン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

10月10日は、2次予選の第2日。

ネット配信を聴いた(第2日前半後半)。

ちなみに、第19回ショパン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第18回ショパン国際ピアノコンクールが終わって

1次予選 第1~4日

1次予選 第5日

2次予選 第1日

 

 

 

 

 

以下、曲はいずれもショパン作曲である。

 

 

 

 

 

第2日(10月10日)

 

 

18. Eric GUO (Canada, 2002-08-01)

 

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Etude in E flat minor Op. 10 No. 6

Preludes Op. 28 No. 19-24

Mazurka in B flat major Op. 17 No. 1

Mazurka in E minor Op. 17 No. 2

Mazurka in A flat major Op. 17 No. 3

Mazurka in A minor Op. 17 No. 4

Prelude in C sharp minor Op. 45

Barcarolle in F sharp major Op. 60

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

20. Xiaoyu HU (China, 2005-04-22)

 

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Preludes Op. 28 No. 13-18

Ballade in A flat major Op. 47

Rondo in E flat major Op. 16

 

ピアノはファツィオリ。

 

 

22. Zihan JIN (China, 2009-03-06)

 

Scherzo in E major Op. 54

Preludes Op. 28 No. 1-16

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはカワイ。

 

 

23. Adam KAŁDUŃSKI (Poland, 1996-07-31)

 

24 Preludes Op. 28

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはファツィオリ。

 

 

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26)

 

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Scherzo in C sharp minor Op. 39

24 Preludes Op. 28

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11)

 

Barcarolle in F sharp major Op. 60

Preludes Op. 28 No. 13-18

Fantasy in F minor Op. 49

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

30. Hyo LEE (Korea, 2007-01-05)

 

Sonata in C minor Op. 4

Preludes Op. 28 No. 19-24

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはカワイ。

 

 

31. Hyuk LEE (Korea, 2000-01-04)

 

Polonaise in F sharp minor Op. 44

Preludes Op. 28 No. 7-12

Scherzo in B flat minor Op. 31

Sonata in B flat minor Op. 35

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

32. Kwanwook LEE (Korea, 1996-08-11)

 

Preludes Op. 28 No. 13-18

Ballade in F minor Op. 52

Impromptu in A flat major Op. 29

Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22

 

ピアノはヤマハ。

 

 

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05)

 

Sonata in C minor Op. 4

Preludes Op. 28 No. 13-18

Polonaise in A flat major Op. 53

 

ピアノはスタインウェイ。

 

 

 

 

 

まだざっとしか聴けていないが、第2日の演奏者のうち、私が3次予選に進んでほしいと思うのは

 

24. David KHRIKULI (Georgia, 2001-04-26)

28. Shiori KUWAHARA (Japan, 1995-10-11)

30. Hyo LEE (Korea, 2007-01-05)

32. Kwanwook LEE (Korea, 1996-08-11)

34. Tianyou LI (China, 2004-04-05)

 

あたりである。

やっぱり、1次で良いと思った人は2次でも良いし、1次でそうでもないと感じた人は2次でもそうでもない。

ただ、1次で選んでいたHyuk LEEは、大物だがここへ来て私は悩んだ末に外してしまった。

人数を絞らないといけない中、彼は技巧面でのビハインドがあるためである。

 

 

桑原志織も、もちろん素晴らしい演奏だし、当然私も選んだけれども、1次ほど圧倒的ではなかったかもしれない。

前奏曲第16番など、一つ前に弾いたDavid KHRIKULIの余裕綽々の同曲演奏と比べると、やや苦心の跡が垣間見られる。

桑原志織ほどのテクニシャンが、ショパンコンクールともなると技巧派というよりは音楽面で攻めるタイプに分類されてしまうのが、恐ろしいところである。

もちろん、まだまだ優勝を狙えるとは思う。

彼女の音楽性、辛口の大人の味わいが、審査員たちにしっかりと伝わるといいのだが。

 

 

一方、David KHRIKULIとHyo LEEは相当な腕前の持ち主で、2次通過は堅いのではないか。

優勝候補の本命Kevin CHENに対して、強力な対抗馬となりそうな気がする。

 

 

 

 

 

次回(10月11日)は2次予選の第3日。

 

 


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