松本和将 京都公演 ブラームス/角野裕 交響曲第1番(ピアノソロ版) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

「J.ブラームス」- 交響曲第1番

 

【日時】

2022年2月14日(月) 開演 20:00 (開場 19:30)

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

ピアノ:松本和将

 

【プログラム】

ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 op.68 (角野裕 編曲・ピアノソロ版)

 

※アンコール

ブラームス:間奏曲 イ長調 op.118-2

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

 

 

 

 

 

カフェ・モンタージュ主催のコンサートを聴きに行った。

松本和将の弾く、ブラームス/角野裕の交響曲第1番(ピアノソロ版)である。

この曲をピアノソロ版で聴くのは今回が初めて。

 

 

これまで、この有名な交響曲の大オーケストラによる生演奏を何度も聴いてきたけれど、今回の松本和将の演奏はそれら全てを上回る迫力だった。

たった一人のピアノ演奏で、である。

やはり大事なのは人数でなく表現だ、と思い知らされた。

 

 

彼が弾くと、この曲はブラームスの“「熱情ソナタ」兼「ハンマークラヴィーアソナタ」”とでも言いたくなる。

重厚な打鍵に、激烈な表現。

第1楽章の壮絶な闘争に、終楽章の爆発的な歓喜。

この曲は、こうでなくては。

 

 

カフェ・モンタージュの1905年製のニューヨーク・スタインウェイも、ニューヨーク製とはいえ現代のピアノに比べるとはるかに“ドイツの音”がして、この曲に本当によく合う。

この名演をもしもブラームスが聴いたなら、20歳を最後についぞ書くことのなかったピアノ・ソナタを、きっとまた書いたに違いない。

 

 

アンコールは、ブラームスの間奏曲op.118-2(1893年)に、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」(1899年)と、ともにカフェ・モンタージュのピアノが生まれたのと同時代に書かれた作品。

特に前者の曲は、あらゆる録音の中でも私は

 

●松本和将(Pf) 2016年5月29日横浜ライヴ(動画

 

が特に好きなので、今回それが生で聴けた、それも1905年製ニューヨーク・スタインウェイの鄙びた音色によるまた少し違った味わいの演奏が楽しめたのは、嬉しかった。

 

 

ともあれ、ブラームスの交響曲第1番。

フルトヴェングラーやカラヤンのようなこの曲の凄まじい演奏は、現代において生で聴くことはもう不可能かと思っていたのだが、今回思いもかけずそれをピアノ一台で体験することができた。

今回の演奏は明日15日の23時59分まで有料配信されていて、生演奏ほどの迫力はないにしてもなかなかの高音質であるため、興味のある方はぜひ。 → こちら

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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