松本和将 京都公演 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第14、21、23番 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

「L.V.ベートーヴェン」

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2021年11月24日(水) 開演 20:00 (開場 19:30)

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

ピアノ:松本和将

 

【プログラム】

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 op.27-2 「月光」

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 op.53 「ワルトシュタイン」

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 op.57「熱情」

 

 

 

 

 

カフェ・モンタージュで行われた松本和将のオンラインピアノリサイタルを聴いた。

オール・ベートーヴェン・プログラムである。

 

 

 

 

 

ベートーヴェンのピアノ・ソナタで私の好きな録音は

 

【第14番「月光」】

●W.ケンプ(Pf) 1932年セッション盤(NML

●バレンボイム(Pf)  1983年12月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●キーシン(Pf) 1997年8月20-26日セッション盤(Apple MusicCD

●ゴルラッチ(Pf) 2013年7月4-6日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

 

【第21番「ヴァルトシュタイン」】

●F.グルダ(Pf) 1958年9月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●佐藤卓史(Pf) 2013年7月10-12日セッション盤(CD

 

【第23番「熱情」】

●リヒテル(Pf) 1960年11月29,30日セッション盤(Apple MusicCD

●チョ・ソンジン(Pf) 2009年11月10日浜コンライヴ盤(CD) ※第1楽章のみ

 

あたりである。

 

 

今回の松本和将の演奏は、これぞベートーヴェンというべき、骨太で豪快なもの。

鄙びた音色を持つカフェ・モンタージュの1905年製ニューヨーク・スタインウェイとの相性が、また抜群。

100年前にタイムスリップして、壮年期のバックハウスが弾く骨太のベートーヴェンを聴いているかのようで、堪えられない。

 

 

上に挙げたように、ケンプのポエティックな「月光」ソナタ、グルダのスマートな「ヴァルトシュタイン」ソナタ、リヒテルのデモーニッシュな「熱情」ソナタを理想とする私でも、今回のような演奏を聴くと、ベートーヴェンはこうでなくてはと思わせられる。

「月光」も「ヴァルトシュタイン」も「熱情」も全てバックハウスの演奏を理想とした故・宇野功芳氏のような人にはなおさらで、もしも今回のベートーヴェンを聴いたならきっと大絶賛したのではないか。

 

 

特に、松本和将が二度も録音した得意曲、「熱情」ソナタ。

その新盤のほうを私は好んで聴いてきたが、今回の演奏はピアノの音色の味といい強音の迫力といい、録音をはるかに上回る出来栄えだった。

第1楽章のコデッタ(小結尾)など、腹にこたえる凄まじさ。

全てのベートーヴェン愛好家に聴いてほしい演奏である(私もできることなら配信でなく実演で聴きたかった)。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


音楽(クラシック) ブログランキングへ

↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。