今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
プロゴルファーの松山英樹が、アメリカのゴルフメジャー選手権の一つ、マスターズ・トーナメントで優勝したという。
それも、アジア出身選手として初めての優勝とのことである。
スポーツに疎い私にはそのすごさが想像できないが、ピアノコンクールでたとえると、きっとチャイコフスキーコンクール(アジア人優勝者はおそらく上原彩子くらい)やエリザベート王妃コンクール(アジア人優勝者はおそらくエル=バシャくらい)で優勝するようなものなのだろう。
松山英樹と聞いて私が思い出すのは、あるブロ友さんである。
その方は指揮者のフルトヴェングラーがお好きで、四年ほど前、私がフルトヴェングラーのエロイカ交響曲の記事を書いた際にコメントを下さったのが、交流のきっかけだった。
かつて相当に偉い役職を務めておられた方のようで、ブログの書きぶりを見るに頭がよくクールで、信念を曲げず頑固で、そして偉い人には珍しくというべきか、芸術への情熱を持っておられた。
文学にも一家言あったし、音楽ではブルックナーがお好きで、ブルックナーに関する論文を依頼されて執筆に心血を注ぎ、またバルトークがお好きで、その神髄を学びにかつてBBC響時代のブーレーズの門を叩いたことさえあるようだった。
その方が松山英樹のファンで、よく松山関連のブログ記事を書かれていた。
私の覚えている限り松山は不調のことが多く、結果的にいつも辛口の批評記事だったが、「彼ならばできるはず」という期待に裏打ちされた、愛のある批評だったように思う。
ときに、アメリカまで出かけて応援されることもあった。
ゴルフは自身でも嗜まれていて、ゴルフ場で知らない若者に声をかけられ、面倒くさがりながらも一緒に回って教えてあげるような、人間嫌いのようで人間好きな方だった。
そうしたゴルフの経験があるからこそ、松山英樹のすごさが手に取るようにわかったのだろう。
これらのことは、全てブログ記事からの推定であって、私自身は直接の面識はない。
この方のブログは、一年ちょっと前に書かれた、肺がんであと半年もつかどうか、でもがん細胞も元は自分の一部なのだから、という記事を最後に、今日まで更新されていない。
松山英樹の苦しい時代をずっと見守り応援してきたこの方には、今回の朗報を絶対に知ってほしいし、きっとどこかで耳にされ、ついにやったと躍り上がって喜んでおられるに違いない。
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