エンヴェロープ弦楽四重奏団 第6回公演
※ライブストリーミング配信
【日時】
2020年9月12日(土) 開演 20:00
※配信期間:2021年1月22日(金)20:00 ~ 24日(日)24:00
【会場】
カフェ・モンタージュ (京都)
【演奏】
ヴァイオリン:上里はな子 (1st for Schumann)
ヴァイオリン:前山杏 (1st for Beethoven)
ヴィオラ:坂口弦太郎
チェロ:上森祥平
【プログラム】
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 op.18-4
シューマン:弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 op.41-1
下記リブログ元の記事に書いた前回公演に引き続き、カフェ・モンタージュのオンラインコンサート配信を聴いた。
上里はな子らによる弦楽四重奏曲の夕べである。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第4番で私の好きな録音は
●ハーゲン四重奏団 1996年12月セッション盤(NML/Apple Music/CD)
あたりである。
また、シューマンの弦楽四重奏曲第1番で私の好きな録音は
●ハーゲン四重奏団 1994年9月セッション盤(Apple Music/CD)
●グリンゴルツ四重奏団 2011年頃セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ストラディヴァリウス四重奏団 2017年3月セッション盤(Apple Music/CD)
●モディリアーニ四重奏団 2017年4月セッション盤(NML/Apple Music/CD)
あたりである。
今回の上里はな子らの演奏は、これらに比べるとだいぶゆったりとした、悠揚迫らぬ演奏。
ベートーヴェンのほうは、ハーゲン四重奏団盤のように火花を散らすようなところがもう少し欲しいように思ったが、シューマンのほうはなかなかに味わい深い。
以前にも書いたように(その記事はこちらなど)、上里はな子のシューマンにはドイツの風味が濃く薫っている。
彼女が弾くと、シューマンはショパンやリストと同時代の「初期ロマン派の作曲家」としてでなく、ベートーヴェンとブラームスの間をつなぐ「ドイツの作曲家」として浮かび上がる。
私は、シューマンは必ずしもドイツ風に奏されるべきとは考えず、例えばフルトヴェングラーの振るシューマンの交響曲第4番などあまりにもドイツ的に過ぎるように思うし、今回の弦楽四重奏曲第1番も、上記の各盤のように比較的すっきりした演奏を本来好む。
それでも、フルトヴェングラーの重々しいシューマンをいざ聴いてみるとやっぱり感動してしまうし、今回の上里はな子らによる、上記のどの四重奏団よりもずっしりしたドイツ的なシューマンにも、しみじみ聴き入ってしまうのだった。
こうした演奏が、近年聴かれなくなってきているからだろうか。
あるいは、上の記事に書いたような、「ドイツの作曲家」としてのシューマンの苦悩に思いを馳せる機会を与えてくれるからかもしれない。
第5~8回公演のトレーラー
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