(藤田真央&山田和樹の演奏動画 ラヴェル ラ・ヴァルス) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

好きなピアニスト、藤田真央の新しい演奏動画がアップされた。

動画はこちら。

 

 

https://tvuch.com/social/484/

 

 

ピアノ:藤田真央

ピアノ:山田和樹

ラヴェル:ラ・ヴァルス

横浜みなとみらいホール

Date 2020/08/21

 

 

これは面白い。

指揮者の山田和樹のピアノ演奏は初めて聴くが、まるでオーケストラのようにレンジの大きなデュナーミク、自由で大きなテンポ設定に濃厚な音楽表現、まさに“指揮者のピアノ”。

藤田真央に比べると和音の響きはぐしゃっと塊になりがちだし、指回りも滑らかとは言い難いけれど、それでも彼が何を言いたいのか、この音楽をどのように持っていきたいのかということは、手に取るように伝わってくる。

全体的に“山田和樹の音楽”になっている印象。

 

 

藤田真央は、彼としては真面目に大人しく(笑)山田和樹の音楽に合わせている。

藤田真央の洗練されたピアノがあってこそ、山田和樹もしたいことができるのだろう。

それに藤田真央も、例えば動画の1:55あたりで1拍目が短く2拍目が長いウィンナ・ワルツのリズムを使用するなど、ところどころで小さくスパイスを利かせている。

個人的には、ここは1拍目を短くといってももう少し長めに取るのがウィーン流だと思うのだが、まぁそれはそれとして、遊び心があって良い。

 

 

藤田真央×山田和樹、2人の全く異なるタイプのピアニストによる2台ピアノ演奏を聴くのは大変面白い。

今後、藤田真央がさらに自分を出していったなら、山本貴志×佐藤卓史、あるいは上原ひろみ×チック・コリアなどと同様、丁々発止のスリリングな演奏になりそう。

そしてさらに、来月の彼の東京公演(その記事はこちら)で予定されているソロバージョンのラ・ヴァルスで、彼がどのようにこの曲を料理したかったのかを聴くのも楽しみである。

 

 


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