今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
先日友人に教えてもらったのだが、ベルリン・フィルの元コントラバス奏者のエーリヒ・ハルトマン(Erich Hartmann)が、先月7月6日に亡くなったという。
(エーリヒ・ハルトマン。画像はWikipediaよりお借りしました)
1920年1月26日にライプツィヒで生まれたハルトマンは、ライプツィヒ音楽院でコントラバスを学び、第二次世界大戦で軍役に服したのち1942年(22歳)負傷のため退役し、1943年11月1日(23歳)にフルトヴェングラー時代のベルリン・フィルの団員となった。
彼は1944年1月30日のベルリン爆撃による旧フィルハーモニーの破壊も目撃した。
カラヤン時代にもハルトマンは長らくベルリン・フィルに在籍した。
1957年(37歳)のベルリン・フィル初来日ツアーのメンバー表にも彼の名がある。
1967年(47歳)にはベルリン・フィルのメンバーによるコントラバスのカルテットを設立したらしい。
カラヤン時代後期の1985年1月31日(65歳)、ハルトマンはベルリン・フィルを退団した。
2004年(84歳)に彼は、当時93歳のベルリン・フィルの元ヴァイオリン奏者ヨハネス・バスティアン(Johannes Bastiaan 1911-2012)とともに、「帝国オーケストラ」というドキュメンタリー映画に出演し、戦時中のベルリン・フィルについて証言した。
芸術と社会との関係について考えさせられる、貴重なドキュメンタリーである(「帝国オーケストラ」のBlu-rayはこちら)。
2020年7月6日、ハルトマンは100歳で生涯を閉じた。
フルトヴェングラー時代のベルリン・フィルを経験した団員としては、最後の生存者であったという。
一つの時代の終わり、とも言えるかもしれない。
ハルトマンの訃報について、詳細はこちらのページを参照されたい。
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