今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
ロシアの有名なピアニスト、デニス・マツーエフの新譜が発売された(NML/Apple Music/CD)。
曲目は、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番などである。
詳細は以下の通り。
![](https://img.hmv.co.jp/news/image/hmv_pc/20/0213/news1103051.jpg)
ウィーン・フィルとベルリン・フィルの美音を併せ持つ贅沢な現代音楽作品集
1975年イルクーツク生まれ、1998年チャイコフスキー国際コンクール優勝、圧巻の超絶技巧で知られる現代を代表するヴィルトゥオーソ、マツーエフによる20世紀ロシアのピアノ協奏曲集。
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番では元ベルリン・フィルのトランペット首席タルケヴィが参加。カンマーオーケストラ・ウィーン=ベルリンによるドイツ・グラモフォン初録音。
2008年の設立以来、活躍を続けているカンマーオーケストラ・ウィーン=ベルリンは主要メンバーがウィーン・フィルとベルリン・フィルの首席奏者で構成され、最高峰の両オーケストラの音の美しさを併せ持ち、生き生きとした室内楽のような演奏を繰り広げています。現在、ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めてきたライナー・ホーネックの芸術的な指揮の下、メンバーは楽団のレパートリーを超え、室内楽を演奏するために定期的に集まっています。そしてしばしば、アンネ=ゾフィー・ムター、ヨナス・カウフマン、ユジャ・ワン、トーマス・クヴァストホフ、ユーリ・バシュメット、イェフィム・ブロンフマンといった現代の人気ソリストたちとの共演も行っています。2019年、アンネ=ゾフィー・ムターとの協奏曲でアメリカ・デビューも果たしました。(輸入元情報)
【収録情報】
1. ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op.35
2. シュニトケ:ピアノと弦楽のための協奏曲 Op.136
3. ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲(ピアノ、弦楽と打楽器版)
デニス・マツーエフ(ピアノ)
ガボール・タルケヴィ(トランペット:1)
トーマス・レヒナー、エルヴィン・ファルク(打楽器:3)
カンマーオーケストラ・ウィーン=ベルリン
ライナー・ホーネック(指揮)
録音時期:2015年9月21日(1) 12月6日(2,3)
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール(1) ライディング、リスト・センター音楽堂(2,3)
録音方式:ステレオ(デジタル)
以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。
ロシアのピアニストを、爆演系のマツーエフ・タイプとリリシズム系のルガンスキー・タイプに大別するとすると、私はルガンスキー派。
とはいえマツーエフも、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番など、曲によっては好きである。
今回のショスタコーヴィチはというと、彼ならではの迫力ある轟音は良いのだが、全体的に少し重いのと、テンポが揺れやすく(意図的にというよりは思わずといった印象)安定しない。
私の好きなキーシンのセッション盤やヴィニツカヤ盤に聴かれるような、推進力やリズム感のキレに欠ける。
タッチの繊細さももう少し欲しい(そういうものを求めるべき人ではないのかもしれないが)。
しかし、終楽章終盤のカデンツァから最後にかけての勢いはさすが。
テンポの揺れも、ここでは即興的な味となっている。
なお、トランペットのタルケヴィも、アルゲリッチ新盤におけるナカリャコフほどではないが、まずまず安定した吹きっぷり。
また、音質の良さなども加味すると、マツーエフの3種の同曲録音(一つ目はテミルカーノフと、二つ目はゲルギエフと、三つ目は当盤)の中から選ぶなら、当盤は第一に推せるかもしれない。
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