(ティファニー・プーンの新譜 バッハ フランス組曲第5番 ハイドン ピアノ・ソナタ第52番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

好きなピアニスト、ティファニー・プーンの新譜が発売された。

ルール・ピアノ・フェスティバル2019のライヴ録音で、色々な若手ピアニストたちの演奏が収録されている(NMLApple MusicCD)。

そのうちプーンが弾いているのは、バッハのフランス組曲第5番と、ハイドンのピアノ・ソナタ第52番。

CDの詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

ピアノ・ファン注目! ドイツ最大級の音楽祭
ルール・ピアノ・フェスティヴァルの2019ライヴ!


ドイツ、ルール地方各地で毎年行われているドイツ最大級の音楽祭の一つ、ルール・ピアノ・フェスティヴァル。アルゲリッチやラン・ラン、ツィマーマン、キーシン等超豪華ピアニストが世界中から集まる他、有望な若き逸材が多数参加することでも知られています。
「C'Avi-music」がリリースしてきたライヴ録音シリーズ第38弾は、『フェスティヴァル・デビュー』をテーマに、2019年のルール・ピアノ・フェスティヴァルに初登場した若手ピアニスト達のライヴ録音を収録。ホーネンス国際ピアノ・コンクール2018で優勝したニコラス・ナモラーゼ(2020年6月に来日予定!)、BBCヤング・ミュージシャン・コンクール2018で優勝したローレン・チャン、フランツ・リスト国際ピアノ・コンクール2017(ユトレヒト)で優勝したアレグザンダー・ウルマン、モントリオール国際音楽コンクール2017で第2位入賞したジュゼッペ・グァレーラなど、様々な国際コンクールで優秀な成績を残してきた実力者達が集います。(輸入元情報)

【収録情報】
Disc1
D.スカルラッティ:
● ソナタ ニ長調 K.492
● ソナタ ホ長調 K.380
● ソナタ ヘ短調 K.386
● ソナタ ハ短調 K.56

エリーザベト・ブラウス(ピアノ)

D.スカルラッティ:
● ソナタ ニ短調 K.9
● ソナタ ニ短調 K.32
● ソナタ ホ短調 K.394
● ソナタ ト長調 K.125
● ソナタ ヘ短調 K.466
● ソナタ ヘ長調 K.107

ジュゼッペ・グァレーラ(ピアノ)

● ハイドン:ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI:52
ティファニー・プーン(ピアノ)

● ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6
● シューベルト:ハンガリー風のメロディ ロ短調 D.817

アレグザンダー・ウルマン(ピアノ)

● ブラームス:シューマンの主題による変奏曲嬰ヘ短調 Op.9
ティル・ホフマン(ピアノ)

Disc2
J.S.バッハ:
● シンフォニア第9番ヘ短調 BWV.795
● パルティータ第6番ホ短調 BWV.830

ニコラス・ナモラーゼ(ピアノ)

● イギリス組曲第6番ニ短調 BWV.811
ティル・ホフマン(ピアノ)

● フランス組曲第5番ト長調 BWV.816
ティファニー・プーン(ピアノ)

Disc3
● ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op.35

ローレン・チャン(ピアノ)〕

リスト:
● パガニーニによる大練習曲 S.141
● ペトラルカのソネット S.58

ジュゼッペ・グァレーラ(ピアノ)

● ハンガリー狂詩曲第10番ホ長調 S.244/10
アレグザンダー・ウルマン(ピアノ)

録音時期:2019年5月~6月
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

特に、バッハのフランス組曲第5番は彼女にぴったりの曲で、これまでにも彼女の演奏動画を愛聴していた。

 

 

 

 

これは2010年、彼女が13歳のときの演奏動画である。

この頃からすでに十分うまいのだが、それから9年経った今回のライヴ録音は、歌の豊かさといい、装飾音やスタッカートの小気味よさといい、旧演を凌ぐ出来となっている。

彼女のような早熟の天才少女が、その後いったい何を学び、どのような成長を遂げることができるのか。

その一つの好例であろう。

 

 

現代を代表するショパン弾きの一人である(と私は考えている)彼女が弾くと、バッハもややロマン派的な雰囲気を帯びる。

とはいえ、装飾やアーティキュレーションなどあくまでバッハらしく、決してショパンにはなっていない。

それに、春のように美しいこの曲はこれくらい歌ってくれた方が良い。

心にすっと降りてくるような演奏である。

 

 

この曲のピアノ版では、私はずっとアンドラーシュ・シフの3つの名盤(1978年キングレコード盤、1989年モンサンジョン映像盤、1991年デッカ盤)がダントツで好きだった。

そんな中で、今回のプーン盤は、シフに迫る出来と言ってもいいかもしれない。

クーラントだけは、シフの左手が驚異的に鮮やかで他を寄せつけないけれど(あとブーレもやっぱりシフがうまい)、その他の曲はプーンもかなりいい線行っていると思う。

 

 

なお、プーン以外の奏者では、グァレーラやウルマンなど有名な人もいるが、割と良かったのはエリーザベト・ブラウスとティル・ホフマン。

当CDはかっちりした曲目が多いためもあってか、この2人の端正な演奏が印象に残った。

 

 

 

ティファニー・プーン (画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 

 

エリーザベト・ブラウス (画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 

 

ティル・ホフマン (画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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