(日本のクラシック音楽の危機) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、いくつものコンサートが中止を余儀なくされている。

打撃を受けた日本クラシック音楽事業協会が国に対し、損害の補償などの救済策を求める要望書を提出したとのこと。

詳細は以下のNHKニュースのページを参照されたい。

 

 

「クラシック音楽業界 感染拡大で損害の補償など 国に要望」

 

 

先月26日のイベントの自粛要請から今月13日までの2週間余りの間に、中止されたクラシック音楽のコンサートは全国で523公演、推定損害額は24億円超とのこと。

かなりの損害である。

しかし、NHKニュースのツイッター(こちら)のコメント欄をみると、この要望に対して9割方は否定的な意見である。

まだ要望書を出しただけなのだが、世間の風当たりは厳しい。

そもそも、私の回りでも普段から、飲食や衣服には数千円当たり前に使っても、音楽にはびた一文払わない、全てテレビやYouTubeで無料で楽しむ、という人がほとんどである。

 

 

芸術は、有事には特に脆弱となりやすい分野である。

ベートーヴェンは、ナポレオン戦争で貴族たちの支援を失って困窮したというし、三月革命で指揮者の定職を失ったヴァーグナーは、ヴェーゼンドンクやルートヴィヒ2世といったパトロンがいなければ曲なんて書けなかっただろう。

指揮者フルトヴェングラーも、第二次大戦中にはベルリン・フィルやウィーン・フィルの団員の保護や支援金の拠出に苦心した。

今回の新型コロナウイルス感染拡大を受け、韓国では公演自粛要請に併せて、フリーランスの俳優やアーティストに約2億7300万円の支援を行うという(こちらのページ参照)。

日本では、どうなるだろうか。

 

 

現在、日本ではクラシック音楽が大変盛んで、東京はおそらくプロオーケストラの数が世界一多い都市である。

音楽家のレベルも本場ヨーロッパに迫る勢いで、最近では世界各地の国際音楽コンクールで日本人が何人も入賞している。

ピアノなど、日本人入賞者数は西ヨーロッパのどの国よりも多いのではないだろうか。

クラシック音楽は、もはや日本の一大文化といっても過言でない。

上記のツイッターでは「音楽家は転職すればよい」との意見もあったが、町のオーケストラが消えるなど、せっかく豊かになった日本の音楽界が元の木阿弥になってしまうのは寂しい。

日本政府は、支援を前向きに検討してくれないものだろうか。

また、音楽家の方々にはどうか音楽をあきらめず、何とか資金繰りしてこの急場をしのいでいただきたいものである。

 

 

私たち音楽愛好家は、寄付やCD購入などによって応援することができる。

オススメは、ふるさと納税。

ほとんど自己負担なくオーケストラに寄付できる。

 

新日本フィルのふるさと納税はこちら

 

神奈川フィルのふるさと納税はこちら

 

群馬交響楽団のふるさと納税はこちら

 

大阪フィルや関西フィルなど大阪の芸術団体のふるさと納税はこちら

 

これ以外の団体にもあるだろうし、もちろんふるさと納税でない通常の寄付もあるだろう(その方が自治体を介さず早く届くかも)。

これはと思う団体やアーティストのいる方は、この機に試してみてはいかがだろうか。

 

 


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