新国立劇場バレエ団 滋賀公演 冨田実里 プロコフィエフ 「シンデレラ」 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

新国立劇場バレエ団 『シンデレラ』 

 

【日時】
2017年1月14日(土) 14:00開演 

 

【会場】
びわ湖ホール 大ホール

 

【プログラム・出演】

バレー 「シンデレラ」

 

音楽:S.プロコフィエフ
振付:F.アシュトン
監修・演出:W.E.サムス
装置・衣裳:D.ウォーカー
指揮:冨田実里
出演:新国立劇場バレエ団
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

キャスト:小野絢子(シンデレラ)、福岡雄大(王子)、小口邦明(姉娘)、宝満直也(妹娘)、細田千晶(仙女)、柴山紗帆(春の精)、木村優里(夏の精)、奥田花純(秋の精)、寺田亜沙子(冬の精)、輪島拓也(父親)、小野寺雄(ダンス教師)、浜崎恵二朗(仕立屋)、中田実里・小村美沙(以上 洋服屋)、佐野和輝(靴屋)、宇賀大将(床屋)、池田武志(宝石屋)、井澤駿(御者)、飯野萌子・川口藍・広瀬碧・益田裕子・若生愛・朝枝尚子・石山沙央理・加藤朋子・柴田知世・中沢恵理子・成田遥・原田舞子・土方萌花(以上 星の精)、福田圭吾(道化)、木下嘉人・中家正博・渡邊峻郁・小柴富久修(以上 王子の友人)、髙橋一輝(ナポレオン)、貝川鐵夫(ウェリントン)、寺井七海・仙頭由貴・玉井るい・中田実里・今村美由起・木村優子・清水理那・廣川みくり・池田武志・清水裕三郎・中島駿野・福田紘也・宇賀大将・中島瑞生・佐野和輝・渡部義紀(以上 マズルカ)

 

 

 

 

 

私は、プロコフィエフのバレー音楽はほとんど聴いたことがない。

「ロメオとジュリエット」だけは例外である。

これは西本智実/日本フィルによるあまりにも繊細で美しい名録音があり、愛聴盤となっている(抜粋だが、作曲者本人により編まれたいくつかの組曲のどれよりも、聴きどころの曲が選ばれていると思う)。

また、実演としても、昨年8月に佐々木美智子バレエ団による上演を観に行った。

しかし、それ以外の曲となると、実演はおろか、曲自体ほとんど聴いてこなかった。

「ロメオとジュリエット」と並ぶ知名度のある「シンデレラ」でさえ、抜粋を少し聴いたことがある程度だった。

さて、我が国の誇る新国立劇場バレエ団が、昨年12月に「シンデレラ」を上演し、かなりの好評を得ていたようだが、それが今回びわ湖ホールに来てくれるというので、喜んで観に行った。

 

バレーの上手い上手くないについては、正直私にはよく分からない。

私の観る限りでは、皆十分に上手くて、踊りから表情に至るまでかなり細かな演技を見せていた。

誰がシンデレラ役をやってもおかしくないくらい。

演出に関してもゴージャスな印象で、大きく華やかな機械仕掛けのセットが組まれており、例えばイルミナートバレエあたりよりもお金がかかっていそうな感じがした(イルミナートバレエも好きである)。

 

音楽については、全体的に「ロメオとジュリエット」と共通した雰囲気の曲で、プロコフィエフ特有の、やや屈折したような、それでいて極上に美しいロマンティシズムが楽しめた。

また、「ロメオとジュリエット」よりは少しだけ前衛的な雰囲気も感じられた。

あと、途中で「三つのオレンジへの恋」の行進曲のメロディが出てきたのは面白かった。

指揮者の冨田実里の演奏は初めて聴いたが、丁寧な音楽づくりで好感が持てた。

関西フィルも、いつも通りの素晴らしい演奏をしてくれた。

 

贅の限りを尽くした、東京の超一流のバレー公演を、関西でも上演してくれるのは、とても嬉しい。

それにしては客入りがやや少なめで、せっかく来てくれているのに、と少し寂しい思いがした。

雪が降って、当日券狙いの客が減ってしまったということもあるかもしれない。

でも、子供たちがたくさん来ており、みんなきちんと静かに観ていて、終演後には大声でブラヴォを叫んでいたのが微笑ましかった。

新国立劇場バレエ団は、秋にも「くるみ割り人形」で来てくれる予定であり、楽しみである。

 

 


音楽(クラシック) ブログランキングへ

↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。