兵庫県立芸術文化センター管弦楽団 スダーン モーツァルトの旅 第5回 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

兵庫県立芸術文化センター管弦楽団 特別演奏会

ユベール・スダーン モーツァルトの旅【第5回】ザルツブルク②

 

【日時】

2016年8月6日(土) 開演15:00  (開場 14:15)

 

【会場】

兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

 

【演奏】

指揮:ユベール・スダーン

ピアノ:菊池洋子

管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

 

【プログラム】

W.A.モーツァルト
交響曲 第29番 イ長調 K.201
ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K.271 「ジュノム」
行進曲 ニ長調 K.215 & セレナード 第5番 ニ長調 K.204

 
●アンコール曲
モーツァルト:行進曲 ニ長調 K.215

 

 

 

 

 

PACの特別演奏会で、スダーン指揮によるオール・モーツァルト・プログラムである。

最初の交響曲第29番は大好きな曲。

演奏は、アバド&ベルリン・フィルの録音に聴かれるほどの洗練された音色はないものの、爽やかな演奏スタイルは通ずるところがあり、モーツァルトによく合っていてなかなか良かった。

さすがは、名匠スダーンである。

なお、第3楽章(メヌエット)のトリオでは、各首席奏者がソロで弾いていて、新鮮でよかった。

 

次は、ピアニスト菊池洋子を迎えての「ジュノム」で、これまた大好きな曲である。

CDではアンスネスが驚くほど滑らかで巧く、比べてしまうと色あせるものの、菊池洋子の演奏もモーツァルトならではの歌心を忘れず、なかなか良いものだった。

 

メイン・プロは行進曲 K.215と、セレナード第5番を並べたもの。

ともにあまり聴き慣れた曲ではなかったが、そうであっても一度聴くと魅了されるところがモーツァルトの曲のすごさである。

モーツァルトの書法は、神童時代から早い晩年にいたるまでの間に、大きな変遷を遂げているが、子供時代の曲であっても後年とスタイルの差こそあれ未熟なものはなく、完成された書法となっていることを、今回も改めて感じさせられた。

 

スダーンは、アンコール曲の演奏前に英語で何かぺちゃくちゃ喋っていたが、よく聞き取れなかった。

アンコールは先ほどの行進曲の再演であり、別の曲を演奏するというわけではなく、これまた当時の演奏会の様式を彷彿させた。