朝早くから
病院へ・・・・
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昨夜
「大丈夫っすよ、局部麻酔でしょ?」
「ああ、そう言ってたよ、医者が・・・でも今日はもう帰る!」
「いいじゃないですか。だいたい手術前日に飲みに来てるほうがおかしいですよ」
「いや、用があったんだが・・・でもそれもそうだな、アハハハ!」
「今、僕も来たばっかりじゃないですか、平気っすよ」
「んじゃあもう一杯・・・・って日付変わってるじゃねえか!」
「前日の食事とか、どうこう言われました?」
「それならここに書いてある。えーっと・・・・」
・・・・・・
「そろそろ帰ったほうがいいかもですね。」
「かもな・・・」
「麻酔効かなくなるかもっすよ」
「テメエ!」
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今朝
そんな不安を残しながら
いざ手術台へ・・・・
「はーい、では麻酔しますねー。痛いですよー」
「えっ?!痛い?」
「場所が場所なんで・・・」
「はーい」
「では刺しますねー」
んぐっ!ぐはっー!
背筋がこれでもか!ってぐらい
自然と力が入る・・・
「気分わるくなったりしたら言ってくださいね」
「気・・・分・・・悪く・・・なるの?」
「人によっては・・」
んっー!
いったい何本打つんだよ・・・・
ふぅー・・・・
「途中で痛くなったら言ってね。麻酔足しますから」
なんだと!?
途中で痛くなる・・・足す・・・
背骨あたりに
スーッとメスが入ってく感覚が・・・
想像しただけで具合悪くなってきたぞ
「まだ大丈夫ですか?」
まだ!?
なんだよ、その予告!
「ええ、まだ大丈夫です・・・」
「今度は引っ張りますよー、これは?」
「大丈夫です・・・」
うわー
二人がかりで
相当引っ張ってるわ・・・・
こいつら俺の皮膚で綱引きしてるな・・・・
こりゃ、麻酔効かなかったら気絶もんだな・・・
ああああ
なんかぐりぐりしたり、ほじったりしてるわー
「はい、おわりました」
「ふぅー・・・」
「では縫いますね」
グサっ!
「これ痛いですか?」
「先に聞いてよー・・・・まあ大丈夫だけど、突き刺す音がイヤです」
「・・・・」
シカトかよ!
グイグイ刺す音がきこえます・・・・
縫われてます、俺。
縫物はするが縫われたことはない・・・
生地の気持ちになれたような・・・
「はい、終わりましたよー。はい、これ」
ん?
「うわっ、気持ち悪っ!こんなもん入ってたの?」
「これが皮膚ね、でその下が袋」
グニュっとして
「これが中身」
見せなくていいわ・・・
「袋ごと摘出したからもう大丈夫!」
「あ、はい・・・ありがとうございました・・・」