"スギハラ・ダラー"から
ヤルタ会談の内容を掴んだ第二次世界大戦中のスウェーデン駐在武官。
そして終戦前の「小野寺工作」などで有名な小野寺信少将の妻による手記。
とても興味深く面白い内容。
ところどころに夫の命がけの仕事の成果を無視した参謀本部への恨みが垣間見えるのもほほえましい。

東京~ストックホルムに20日。シベリア鉄道経由。
週末は羽田からちょっと出かけるなんていう時代ではなかった。

東京の参謀本部とヨーロッパ現地との情勢判断の温度差。
ヒトラーは英国に上陸するのか独ソ開戦か。
同盟国である日本にも対ソ戦をギリギリまで隠したドイツ。
暗号作業を武官の妻にやらせていた帝国陸軍とはあまりにも違う。
対日参戦をすでに約束(密約)していたソ連に和平の仲介を頼むという日本の頓珍漢ぶり。

人は自分の見たいものしか見ない。という言葉は普遍。


バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争/小野寺 百合子

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