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先週土曜日に放送された『ブラタモリ』ですが、予想どおり灰ヶ峰が出てきましたね。呉について「戦艦大和のふるさと」「海軍とともに発展した町」という内容だったためでしょうか、意外だったのは山頂ロケ地のすぐ横にある高射砲台跡に触れられなかったことです。戦争中は要塞呉鎮守府を守る対空砲台が灰ヶ峰山頂に2門が備えられていたそうで、ロケ地のすぐ横にある円形の展望台の基礎部分の石垣は砲座を流用しているそうです。
上が展望台/下の土塁は高射砲の台座
灰ヶ峰展望台から駐車場を望む
中央のせり出している部分が『ブラタモリ』のロケ地
右側の駐車場のすぐ上に気象庁のレーダードーム、遠景は広島市
灰ヶ峰は呉にとって重要な観光資源のひとつだと思うのですが、如何せんアクセスが悪いのが玉に瑕です。結論からいうと山頂へのアクセスには車が必要です。登る気になれば徒歩登山でも行けますし、途中の登山口までバスで行くこともできるのですが、バス停から山頂まででも1時間以上かかると思います。映画『孤狼の血』の中の名場面で、『ブラタモリ』と全く同じ場所が出てきますが、大上(役所広司)は日岡(松坂桃李)をこの場所に1人残して車で立ち去ります。ここから市街地まで歩きで降りるなんて拷問に等しいですね。車の場合は舗装された道を走りますが、元々防空砲台のために軍道として造られたものなので、車同士がすれ違うには道幅が狭く、やたらと落ち葉が積もっていたり、カーブも多いので慎重に運転する必要があります。『ブラタモリ』のロケでもちらっと映っていましたが、山頂展望台の駐車場は気象庁のレーダードームのすぐ下に5~6台分しかありません。しかも貴重な戦跡である2門の砲座跡の内、1門を壊して作られているという……。
私は単身帰省の折に、広島市内で借りたレンタカーで呉に出かけていますが、呉へのアクセスは海沿いの国道31号線をトコトコ走って行くのが楽しいと思います。途中で慢性的に渋滞する箇所があったりしますが、それでも1時間ぐらいかな。道のすぐ横をJR呉線が並走しているのですが、呉線は単線なのにトンネルの入口が2つ並んでいるところがいくつもあるのです。たとえばココです。進行方向(正面)が呉で左が呉線、右側の建物の裏はすぐ海です。左手の山肌にトンネルの入口が2つ見えますが、使われているのは右側です。調べてみると、戦争中に広島と呉を結ぶ呉線の輸送能力向上のために複線化を計画して新しいトンネルを掘ったらしいのですが、結局複線化されることなく終戦を迎え、その後も幻のトンネルだけが残っているということだそうです。このページで詳しく紹介されています。
次回2月6日の『ブラタモリ』は「ゆふいん」だそうです。ちなみに、父方の実家が大分、湯布院は子どもの頃から何度もお墓参りで訪れている場所で、これもまた楽しみな回です。

