「大人も本気になって」ESDユネスコ世界会議に出席しました | グッドネーバーズ・ジャパンのブログ

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「私達は本気です。大人も本気になってESDに取り組んでください。」

突然ですがこんにちは!スタッフのやぐちです。
11月12日、名古屋の国際会議場で3日間にわたって開かれていた『ESDユネスコ世界会議』が閉会しました。


イリーナ・ボコバ・ユネスコ事務局長のあいさつ

  
教育大臣やNGOの代表者、大学等で教育に関わる専門家など、世界中から約1100名が一同に集いました。
教育に関わっているNGOの一員として私も参加の機会を得たのですが、これほど大きな世界会議に出席するのはもちろん初めてなので、とても刺激の多い3日間でした。

愛知県主催の歓迎パーティー。すごい人の数です!



ESDとはEducation for Sustainable Development - 持続可能な開発のための教育 
のことで、2004年に日本が世界に提唱した理念なんです。もっと詳しく⇒http://www.esd-aichi-nagoya.jp/esd/about/index.html
 
10年目を迎えるESDが世界中でどんな成果をあげてきたのか、そして今後はどうしていくのかを話すのがこの世界会議の目的です。
詳しく話していくととてつもな~く長い話になってしまうので、ここでは私が印象に残ったことをいくつか紹介します。


グッドネーバーズ・インターナショナルのスタッフと出席

 
 
まず何よりも感じたのは「ユース(若者)の活躍」。
名古屋のユネスコ世界会議が始まる前の11月4日、岡山ではユネスコスクール世界大会というものが開かれていました。これには150名もの高校生が32カ国から集まり、若者の意見を世界会議に届けるべく、ESDの今後について議論を重ねてきました。


各国からの若者が主催したユースカンファレンス
 

 
そして世界会議本番の10日~12日。名古屋に来日する参加者をサポートするために、200名もの学生が各国の代表団に一日中付き添い、英語で会話しながら生き生きと活動していました 彼らはボランティアとしてこの機会に応募し、日本全国から集まったのだそうです。
そして、3日間を締めくくる全体会合では、名古屋の高校生が世界に向けて冒頭のメッセージを発信しました。この日のために準備に準備を重ねてきた高校生たちが発した
 
「私達は本気です。大人も本気になってESDに取り組んでください。」
 
というこの一言は、広い会議場内に響きわたりました。


  

ただ、「ESD(持続可能な開発のための教育)に取り組んでください」と言われてもほとんどの人はピンとこないのが現状かと思います。
しかし彼らの願いは『差別も不安もなく、平和で安全に、楽しく生活できる社会にしたい』ということであって、それが彼らの考える『持続可能な社会』なのです。 
 
ESD は、環境、貧困、人権、平和、開発といった、現代社会の様々な課題に関わっています。つまり私達全員に関係しているのです。国の教育政策という大きなことから、地域や家庭での子どもとの関わり方という身近なことまで、全てを指しています。
 
これまでの10年間、政府や国際機関、NGOや教育者、多くの大人達がESDに取り組んできたのは事実です。
しかしそれと同時に、たくさんのユース達もESDに取り組み、その推進を支えてきたんだ、というのが、私が3日間会議に出席して感じたことのひとつです。
本当に頼もしい限りです
 
ユースにしかできないこと、大人にしかできないこと、片方だけじゃなく一緒になればできること、色々あると思います。
名古屋で開かれた会議には、ブラジルから来た17歳の学生がユースを代表しパネリストとして登壇しました。世界中のユースと対話を重ねてきた彼は、「持続可能な開発」についてこのように述べました。

「僕らもいずれ大人になるので、ユース代表と言われると、少し変な感じですね。地球(自然)は大人が子どもへと受け継いでいくものではありません。子どもたちのために、大人が地球を借りているだけなんです。だから大事な議論をするときは、僕たちのような若い世代も加わるべきだと思います。」

「親も学校の先生も僕たちのガイドなんです。だから押し付けるような教育はだめです。同世代で話していると、従来の主流だった職業はもはや僕たちがやりたいことではないんだと感じています。親は、例えば、弁護士になりなさい、などと言うけど、大切なのはお金ではないんです。子どもが一番いい形で世界に貢献できるように、大人が導いていくべきです。」

 




各国の代表団の前で堂々とスピーチしてくれた彼。会議最終日に声をかけると快く写真を撮らせてくれました♪

私達以上に「持続可能な開発」と真剣に向き合い、行動を起こしているユースが世界中にいます。
大人も負けていられませんね!