「GMTL」 出演者の意気込み!⑩ 『結 ~Blind Spot・並木晃一編~そして伝説へ~』 | GMTL 公式ブログ

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東京音協 創立50周年記念イベント
『ゲームミュージック トリビュートライブ』
Game Music Special Week @ SHIBUYA

公演最新情報や出演者のコメントなど、随時発信してまいります。
お楽しみに!

東京音協 創立50周年記念イベント
ゲームミュージック トリビュートライブ
Game Music Special Week @ SHIBUYA

公演準備もいよいよ佳境。
ふと時計を見ると、「23:35」ですって。
気づいたら、もう開演まで20時間切ってるんですよ。恐ろしいことです。

人間、歳を取ると日々の流れが希薄になる…なんて言葉を思い出します。
原理は知らないけど、1歳児にとっての1年は、その子にとって、人生の100%。
で、歳を取れば取るだけ密度が薄くなり、50歳にもなれば、1年は、その人の人生において、たったの2%なんだとか。

2%?なんのこっちゃ。

50歳が重ねてきた1/50である1年を「希薄だ」とディスるのは容易だ。
だが、年齢は率ではなく、積み重ね。
意味のなかった1年など、ありはしないのだ。

自分の人生の濃度を決めるのは自分自身。
率じゃない。
では率を上げるには?
常に全力なことだ。
いつでも全力。仕事も、趣味も、恋愛も。
休む時も全力で休む。全力で寝る。

全力で生きる。毎日が100%。
正直、疲れる。

でも、エンターテイメントに足を運んでくれるお客さんと、全力で向き合う。
アーティストは全力で最高のパフォーマンスをし、
観客は全力でステージ上の煌く才能に自分を投影し、全力で思いを馳せる。
常に面白い何かを「全力」で考える。

そんな人いないんだろうと、思っていた。
結論から言うと、いました。

公演前の公式ブログによる出演者、最後の意気込み。
多くのアーティストが集ったこの「GMTL」カンパニーのトリを飾るのは、

$GMTL 公式ブログ-Blind Spot

Blind Spotギタリスト・並木晃一さんです。

昨年12月。Blind Spot・並木晃一という人に、僕は初めて出会った。
並木さんが以下に書かれたような想いや信念、経験など何も分からぬままに。
ただ、この並木晃一という人は、その場にいた誰よりも、「全力」だった。

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とんでもない事になったもんだ。

事の始まりは僕の思いつきというか、二年前の震災。
僕はテレビから流れる映像を見ていたら体から力が抜けて行くのを感じた。
まずい、このままではなにも出来なくなる、、、そう感じた。
自力で何かをやる気力はなかった。

誰かに強制されないと僕はこのままではギターを弾く事が出来なくなってしまう。
誰かに強制されるって状況をどうやって作り出すか。
日頃受けている仕事では足りなかったのです。
だって、自宅作業ってなんの緊張感も持てないですからね。
だから人目に晒される環境が必要だった。
でも自分でバンド作ってライブをやろうなんて気力が湧く筈も無い。

だったらS.S.T.BANDはどうよ?
って発想になるまでに時間はかからなかった。

で、そう考えたらじっとしていられなくなっちゃって、とりあえずメンバー全員に連絡を取ってみた。
連絡先が解らなくなっちゃった人もいたけどなんとか調べて。
結果、「やらないよ」という人はいなかった。
まあ、そこからが大変。色々と一筋縄では行きませんでしたが、裏話は墓場まで持って行きます。

どうにかこうにか形は作った。
そして再結成ライブに向けて毎日メールでのすり合わせ作業。
結局ギター弾くまでに何百倍の労力を費やしたか解らないけど無事にライブを敢行する事が出来た。

いろんな思いが溢れた。

何よりも予想を超えていたのがお客さんの反応。
ステージから客席を見渡すと涙ぐんでいる人が一杯いる。。。
この反応は全く想定していなかった。
泣きたいのはこっちだよ。。。

そういう体験しちゃうと次の目標はもっと大きくしないといけなくなっちゃう。
S.S.T.復活の道の険しさからはとても構想出来る話しではなかったんだが、僕の中では既にこの企画はあった。

ーゲームミュージックフェスティバルの再演をー

というのが。

勿論この時はまるで雲を掴む様な話し。出来るわきゃない。
どこに話し持って行けばいいのかもわからないし。
でも実は前振りをちょこちょこやっているんです。

Voyagerと対バンやったのもそう。あと、去年の渋谷のステージで前座に葉山兄貴に出てもらったのも、もう一個の前座即席バンドにゲーデリの濱田さんが入っていたのも全ては壮大な僕の前振りだったのです。出演者の気分を高めるというね。

まさかあの時点で1年ちょっとで実現するなんてこれっぽっちも想像は出来なかったんですが、とりあえず怖いぐらい順調に事が運んでいます。まあ、色々険しい道ですが。

さて、まだ発表出来ないですが我々Blind Spotはすでに次に向けて動いています。
ろくな収入にもならないのに付いて来てくれるメンバー、関係者に感謝です。

そしていつも遠くからでも駆けつけてくれる多くのファンに感謝し、このイベントが毎年恒例になればいいなあ、と思っています。


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一時代の伝説を築いた男が、不躾な若輩の僕に全力で「ゲームミュージック」を説明する。
信念の火を灯したその目は、真っ直ぐに僕を射抜いた。射抜き続けた。
そんな全力で挑まれては、僕の決心が固まるのに、そう時間は掛からなかった。

とは言え、知れば知るほど恐ろしい。
相手はあの「並木晃一」である。

この人とプロデューサーとして肩を並べて興行を成功させること。
その日から、それが僕の至上命題になった。
正直、ビビった。
何度も呆れさせ、何度も足を引っ張った。

そして、どうにかこうにか「今日」という日に辿り着いた。
…いや、辿り着かせてもらった、というべきか。
今年2月のBlind Spotのライブにて情報公開。
そこからとてつもなく長かった半年。

この濃密な「半年」が、35歳の僕に取ってみたら、人生の1/70?

1.4%?

…馬鹿言っちゃいけない。
1.4%の密度で着いていけるほど、並木晃一という人は甘くなかった。
僕は全力だった。それだけは間違いなく言える。

渋谷公会堂に響く「終わらないアンコール」が終わる時、僕にも何かが見えるのだろうか。
…いや。ちっぽけな僕は多分、ただ泣いちゃうだけだ。
そして、並木さんはステージ上で笑うんだろう。
その場のお客さんの熱気を感じて。
そして、更なる山のその先を見据えて。

$GMTL 公式ブログ-BS素材

ゲームミュージック トリビュートライブ

今年の「GMTL」はここに完結し、そして、次の伝説がここからまた、紡がれる。

スタッフは全力で最高のステージを用意します。
あとは、アーティストが全力で最高のパフォーマンスをするだけです。
是非会場に見に来てください。
並木さんの元に集まった、数多のアーティストが作り上げる空間を。

最後に、この公演に関わってくれた沢山の方々。
この場を借りて、心から御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

ご来場いただく皆さま。
皆さまに取って、この「GMTL」が待ち望んだコンサートになりますように。

全てのゲームミュージックを愛するファンに感謝致します。

株式会社 東京音協 中崎裕介