インドネシアとの一戦から得た教訓。
先日のインドネシアとの一戦。
マーケティング目的であることは明確であったが、そんな中でも今後の展望を占える要素をいくつか発見することが出来たと思う。
まずは、それらを箇条書きにして示そう。
尚、相手が格下であったという事実は考えないようにして貰いたい。
・1対1抜き方に成長が見られたピアッティ。
・グアルダードのSBは成功か?
・期待以上の活躍の若手選手たち。
・ティノ・コスタの飛び道具の健在っぷり。
・パブロとフェグリのポジション争いによる相乗効果。
その中から今回は2番目のSB問題について触れてみようと思う。
先日ディダクの移籍が破断となり、先日のスーペルデポルテ紙でもマテューがコメントを残したように左SBの獲得は急務となっている。

メディカルチェックでの恥骨炎発見により、契約出来ず。

簡単なプレゼンテーションも行っていました。
写真;ディダク・ビラ。
ジェレミー・マテュー「他のSBを獲得することは、非常に望ましい。」
正直このコメントには、彼自身が「疲れるのは嫌だ。」という願望を吐きだしたのでは?と受け取ることも出来るが、それを考慮しても彼の意見はもっともだ。
では、新監督が踏み切った左利きのMF二人のSB起用がどうであったのか。
早速分析してみようと思う。
【グアルダードのSBは成功か?】
一言で言い表すと、「オプションとしては可。」であると思えた。
その理由として、長年のスペインでのプレーにより精度の増したロングフィードとクロスを武器に好機を演出出来る能力の高さを確認できたこと。
次に、前線の選手との距離感に気を配れるということ。

ドイツ遠征で左SBとして試されたベルナト。昨年のプレシーズンでは大活躍でした。
以上の2点から彼のSB起用には反対はしない。
しかし、あくまでも怪我人続出による緊急時。
もしくは攻撃のオプションを増やすことを目的とした場合のみとして。
やはり守備に不安を感じずにはいられなかったからだ。
DF経験の少ない彼ではあるが、MFで起用されている時と同じようにサイドへの追いこみ方や相手へのプレッシングにはまずまずのものが見られた。

逆サイドへのフィードやオーバーラップ後のクロスは巧み。
とはいえ、最終ラインとしての守備としては些か物足りない部分がはっきりと見えた。
一つは球際の強さ。
相手と対峙する際に、一定の距離を保つことが出来るが、ボールを奪うまでに至れないことが現状での彼の難点と言える。
これによって起こってしまうのが、DFラインの無駄な後退。
自身の経験からも言わせて頂くと、この無駄な後退は他のDFやGKにとっては何が起きてもおかしくない状況と捉えられる。
学生時代にSBを経験している私も同じような状況を何度も作ってしまい、GKやCBの選手たちに激を飛ばされたものだ。
つまり何が言いたいのかと言うと、グアルダードには奪うタイミングとルーズになった瞬間を見極める力が足りないのだ。
この部分の改善が上手く行けばSB起用に文句はない。
バレンシアファンならばよくご存じかと思われるが、守備をあまり得意としないマテューとの違いはそこなのだ。
持ち前の長い足でのボールカットがあることで、守備の軽さや体力不足を補っている。

マテュー;スピード、長身、シュート力は、フランス代表レベル。
しかし、守備と体力はリーグでも下の方。
二つ目として挙げたいのが、リスクマネジメントについて。
本職のMFでは奪われた後でも他の選手のカバーリング、ディレイによってピンチを防げる可能性は高い。
しかし、最終ラインともなるとそう上手くはいかない。
インドネシア戦でも、戦術通りにやることを優先してしまい安易なパスを味方に送ってしまう場面が何度か見られた。
本職ではないから。といってしまえばそれまでだが、リスクを軽減させるための大きなクリアやサイドへ逃げることも覚えて欲しい。
さて、ここまでネガティブな部分ばかり目立たせてしまったが、彼のコンバートが上手く行くことで効果的に働く部分もある。

コンバートの成功例と言えば、ジョルディですね。
その部分に関しては、まだ私も分析不十分であるので、トッテナム戦以降で再度確認し、皆さんにお伝えできればと思う。
さて、1ヵ月を切ったものの移籍期間にはまだ余裕はある。
明後日のトッテナムとの一戦、その後のフランクフルト戦で確認をし、一刻も早くマテューとローテンションを組めるSBを手に入れなければならないと私は思う。
それが新加入だとしても、選手のコンバートであろうとも。
了