残り2節となったスペイン2部、リーガ・アデランテですが、
今節を持って降格クラブが全て確定致しました。
降格となったのは、トップチームが2部降格となった煽りを受けた、
ビジャレアルB、アルコジャーノ、FCカルタヘナ、ヒムナスティックの4クラブ。
その内の一つ、FCカルタヘナについて、今回は調べてみました。
あまり、データ分析は得意ではないのですが、一日使って、色々と情報を引っ張ってきたので、どのように仕上がるかは、わかりませんが、書いてみます。

【FCカルタヘナとは?】
バレンシアの南方に位置するムルシア州。
その中でも2番目に大きい都市“カルタヘナ”の地元クラブがFCカルタヘナです。
カルタヘナは、人口約220000人。世界遺産都市みたいですね。

1995年の発足以降、セグンダB(3部)リーグを中心にシーズンを戦い、08/09シーズンに3部で見事優勝。翌年に2部への昇格が決定。
さらには、09/10シーズンには、昇格クラブながら5位フィニッシュ。
リーグに旋風を巻き起こしています。(1部昇格プレーオフは、レクレアティボに負けて敗退。)

カルタヘナのエンブレム。
実は、その躍進の立役者とも言える監督が、現レバンテのファン・イグナシオ・マルティネス監督。今年のレバンテを初のヨーロッパリーグ出場に導いた張本人です。

ファン・イグナシオ・マルティネス監督。
まぁ、ここまではwikipediaや公式サイトを見れば載っている情報ですので、参考までに。
【では、今季の不振の原因はなんであったのか?】
前述で述べた、監督の引き抜き、選手の大幅な入れ替えなどなど、考えうる要素はいくつもありますが、一番明確にデータとして表れているのが得点力の欠如。
今季、その他降格をしたアルコジャーノは42得点、ヒムナスティックは35点。
一方のカルタヘナは、29得点と降格チームの中でも群を抜いて得点を決められていません。
ギリギリで降格を免れたジローナ、グアダラハラに至っては、54点と45点と10点以上も差をつけられています。
そして、特に目に着いたのが、スコアレスドローの数。
残り2節を残し、7勝13分19敗。13引き分けのうち、なんと9戦がスコアレスドロー。
特筆すべきは、13節のエルチェ戦(1-1で引き分け)からの怒涛の5引き分け。
最初のエルチェ戦以降は、14節のアルメリア戦からラス・パルマス戦まで全て0-0。

3得点以上した試合も21節のレクレアティーボ戦のみ。
しかし、ストライカーと呼べる選手は、しっかりといるんです。
例えば、冬の移籍市場で加入したブラウリオ・ノブレガ。
正直な所、結果を出している選手とは言い難いですが、一部でのプレー経験も多く、前所属のサラゴサではそれなりに出場もあったため、加入時は結構期待されていたようです。(一部では、アトレティコ・マドリー、ヘタフェでプレー)

サラゴサ時代のブラウリオ。なんか叫んでます。
最終的には、途中加入ながらチーム内得点王のコジャンテスの7点に次いで、4得点で2位。
まぁ、そこそこそかと思われます。
(そもそも、7点が1位って言うのが問題ですけどね....)
目安程度に思って下さい。
他にもイバン・ボラード(元ラシン)など、FWは頭数はそろっていました。
【なぜ得点が取れなかったのか?】
原因は、中盤にアリ!です。
これは、映像で見て頂こうと思います。
今シーズンの1月7日に行われたウエスカ戦の様子です。(結果は、2-0で勝利。)
第19節 VSウエスカ
映像の中盤辺りでのパスの受け渡しのシーンに注目して頂きたいのですが、今シーズンのカルタヘナはとにかく、中盤より高い位置でボールが収まっていません。
その他の映像でも検証してみましたが、
同じようなパターンが他の試合でも何度か確認できました。
パスの質や技術的な問題ではなく、見ている限りでは、組織としての選手同士の関係性が欠落しているように写りました。
ちなみに、今季メインで使われていた布陣は、442と4231の二つ。

<4231>

<442>
彼らの攻撃時の位置取りを見ていると、真ん中二人の動きが特徴的で、ボールを繋ぐのではなく、ボールを渡すと言ったイメージ。
簡単に言うと、「そこに出すから、あんた走ってね。」といったような。
中盤がゲームコントロールを放置しているような形なんです。
それでは、FWまで届かないですよね。プレーを大体でやっているようなものなのですから。
まぁ、これは僕の見た感じからの意見ですし、実際はトレーニングでスペースへ走らせる練習をしているのかもしれませんので、考察の域を抜けないのですが。
【得点シーンはどう言ったものなのか?】
ここまで、散々に言ってきましたが、逆に得点シーンはどうだったのか?
最近行われたばかりのラス・パルマス戦をご覧ください。
以下のリンクより飛べます。
2ª División 2011-2012 - 38ª Jornada - UD Las Palmas vs FC Cartagena.
バレンシアに新加入したジョナタン・ビエラの華麗なパスにも注目!
一点目の抜け出しが、今年のカルタヘナのゴールを象徴しています。
ゴールのほとんどが、抜け出しからの得点、もしくはサイドの選手の強引なドリブル突破から。
まぁ、一概には言えないかもしれませんが、中盤より前の選手がしっかりとオーガナイズされておらず、得点が入らなかったことは、勝ち星を稼ぐことの出来なかった大きな理由だとは考えることは出来るでしょう。
この理由として、もう一つ言えるのが、失点数がリーグ内では意外に少ないという事。
全22チーム中、下から2番目の21位にも関わらず、失点数では、同率で12位と中位。
(最下位のヒムナスティックと同率で53失点。)
前監督の力も大きいかもしれませんが、悪くはないんじゃないでしょうか?
スペインのサッカーはよく点が入ると言われますが(守備が笊だとも)、その意味がよく分かったような気がします。
昨年、2部に降格したガリシアの名門、デポルティーボも得点力にかなり悩まされながら、結局降格をしてしまいましたからね。
これは、ビジャレアル然り、ロティーナ監督の守備に枚数を掛ける戦術が悪かったかもしれませんけれども。
ともあれ、カルタヘナの降格には
【決定力不足】という言葉が付いて回っていたことでしょう。
よく聞く言葉ですし、あまり好きじゃない言葉なんですが、
現状にぴったり合っていたので使ってみました。
残り2節、降格は決まりましたが勝利で飾って欲しいものです。
バレンシアのBチームの元選手のミゲル・アンヘル・リアウもいますしね。
ほとんど出ていませんが......
ちょっとだけ応援みます。

リアウ;元バレンシアのカンテラーノです。
いかがでしたでしょうか?
少々、文章が長いので面倒かと思われた方もいらっしゃるとは、思います。
一日での分析のため、不十分な点もあるかと思われますが、ちょっとしたうんちく程度にでも皆さんが感じて頂ければ幸いです。
明日は、時間の許す限りアルコジャーノについて、探ってみます。
もしよろしければ、ご覧ください。
それでは。
おまけ
映像を探している時に、見つけたカルタヘナ戦のジェラール・デウロフェウ(バルセロナB)のスーペルゴラッソです。よかったら見てみてください。
Gerard Deulofeu Goal vs Cartagena 11-02-2012