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武蔵野義塾大学、国際政治学者、米倉美幸先生は、私の小説『 報道写真家 和辻󠄀隆二 』に登場する架空の人物です。
「 クラブ活動は、「原研(げんけん)」と呼ばれている現代問題研究会である。現代社会の様々な問題の構造を研究するサークルであった。特に哲学、思想と社会問題の関係を研究し、講演会、シンポジウムを開き、研究冊子を創ることがサークルの活動内容であった。顧問の先生は、アメリカの大学院で国際関係論によって博士号を取得した、米倉美幸であった。米倉先生の専門は、アメリカの中東政策である。米倉先生は、男性教員に負けないぐらい研究熱心であり、学生にも猛勉強を勧めた。すべての企画は、米倉先生の許可がなければ、実現が不可能であった。勉強量の少なさを感じさせる企画は、百パーセント認めないのである。これは、武蔵野義塾大学の学生に、アメリカの名門大学の学生に負けないぐらいの力をつけて欲しいと心底願っているからである。この米倉先生の完璧主義は、現代問題研究会の学生からは、米倉主義と言われていた。しかし、学生には、米倉先生の愛情は伝わり、米倉先生は学生から尊敬されていた。」
『 報道写真家 和辻󠄀隆二 ー砂嵐の中で何が起きたのかー 』
日本文学館 2011年発行 25頁。
2016,2,19 小林哲哉