ベートヴェンの言葉です。
L.v.ベートーヴェン(1770-1827)作曲
ピアノソナタ17番『テンペスト』について
『テンペスト』=嵐という言葉ですが、
嵐と聞いて最初に思い出すのは、
こんな感じでした。
これを見ただけでも十分"うわあ"となるのですが、
ベートーヴェンがこのような光景を見たかどうかは分からないので、これを見た時の自身の心の動きはアテになりません。
テンペストを演奏する際の解説についてインタビューの中でベートーヴェンは
「シェイクスピアの『テンペスト』を読め。」
と答えたという逸話が残っています。
この曲においてシェイクスピア(1564-1616)の『テンペスト』は切っても切れない存在の様です。
ところで、ベートーヴェンが『テンペスト』を作曲したのは
1801年~1802年の間に
つまりベートヴェンが31歳の時に作曲されました。
シェイクスピアが『テンペスト』を執筆したのは1612年、
48歳の時に執筆され、最後の作品と言われています。
シェイクスピアの『テンペスト』を題材に映画やアニメや
ドラマなど沢山題材にされていますが、
ロマンス劇として扱うにはテーマや時代設定がかなり
現代から見ると衝撃的です。
ドナルト・フランシス・トーヴィーというイギリスの音楽学者は
ベートーヴェンの『テンペスト』に戯曲の登場人物を見出そうとする試みは、あまり意味がないように記しています。
確かに演奏していて、曲の中に登場人物は見出せる気はしませんが、
「テンペスト」という言葉からイメージする荒々しさと
戯曲の序盤の船が転覆するシーンは確かに
ベートーヴェン作曲のそれだと感じました。
アニメ『絶縁のテンペスト』(2012)の中で使われる劇中曲は
ベートヴェンの『テンペスト』3楽章のモチーフを引用していますが、
作品の随所に戯曲の『テンペスト』『マクベス』を根底に置いており、ベートヴェンとシェイクスピアの掛け合わせの成功例として挙げられると考えています。
コミックスとアニメの方はアニメを愛する方たちが入り込みやすいように、イケメンキャラ、心理戦と魔法を使った「世界の危機を救うために戦いを始める」話に大展開していくものですが、そこを省いた時の、近親相姦の2歩手前の設定、ロマンス劇、たびたび登場人物が常に手にして、キャラの考え方の根底にあるシェイクスピアの名言など、話と戯曲のコラボレーションが素晴らしいです笑
ベートーヴェンが実践して望む形はこれであったのではないかと思うほど、劇中曲としての『テンペスト』も活き活きしているように
聞こえます。
まだ見ていない方は是非ご覧になって下さい。
ベートーヴェンが何をイメージしたかは具体的に分かりませんが、
これかなと答えの一つをイメージしながら演奏するととても面白いです。
是非やってみて下さい。



