もしかして、面倒に巻き込まれようとしている?
お義兄さん「私は聞いていませんよ」
紫苑ちゃんが、場の空気を読んだのか
紫苑ちゃん 「あら?お兄ちゃん、ルークお兄ちゃんと働くの嫌なの?」
お義兄さんが、メガネをクイっと上げて、紫苑ちゃんに振り向きます。
兄が小さい妹を諭すような、優しい表情です。
お義兄さん
「いや、そんなことは無い紫苑。ルークさんほどの会計知識を持つ人
はうちのグループに大きな助けになるしね 」
お父さん 「 おお、すまなかった。 和弘。。 これは、よくよく考えて出した結論なんだ 」
ルーク 「・・・・・・」
お父さん「いま、日本は戦後最大の危機的状況にある。うちの会社も例外ではない 」
お義兄さん 「そんな状況で、ルークさんを巻き込んで責任が取れませんよ? 」
お父さん 「うむ、それを言われると痛いが、ワシは会社の分裂と粛清を考えておる 」
お義兄さん 「? 本社を分裂させるのですか?! それは・・・」
お父さん
「中国事業も大きく発展してきたとは言え、リスクが大きい。
いま、国内も厳しい状況である。 うちのどの部門も、いつ巨大な赤字が発生するか
知れたものではない 」
お父さん 「つまり、部門ごとに関係会社として分裂させて、赤字を出す会社を切っていこうと思う」
お義兄さん 「そ・・・それは、うちのヨーロッパ支社も粛清の対象に入るということですか?」
お父さん「うむ、、いまヨーロッパ諸国は、アジアよりも経済状況が悪い。。
。しかし、お前の会社は存続させるよ」
お義兄さん 「 どうですかね。。。信じて宜しいのですか? 」
お父さん 「ヨーロッパは、見た目よりもずっと鎖国主義だ、一度撤退したら、入り込むのは容易ではない」
ルーク 「ちょ・・・ちょっと待ってください。 話が進みすぎていて。。。」
お父さん「 おお。。。スマン、、スマン。。。ときにルーク君には、アジア方面を担当してもらおうと思っているんだ」
涼子 「アジア!? まさか中国では? わたし嫌ですわ、そんなの。ぜったい耐えられない 」
お父さん
「中国ははずせまい、、、ルーク君、君の才幹があれば、
きっと大丈夫だと思っている。はじめは役員として様子を見れば良い 」
ルーク 「 せっかくのお話ですが、、、私は日本から離れる気がありません 」
お義兄さん 「 ・・・・・・・・・」
お義兄さんは、沈黙していました。 たぶん、もともとルークが会社組織に加わるのを反対なのでしょう。
お父さん 「 ・・・・いや、ここまで来たら、ウンと言ってもらいたい。 結婚式まで猶予もある。よく考えなさい 」
ルーク 「!? 」
もし反対するならば、結婚取りやめると脅しているのか?・・・・・・まさか・・・・・・・・・・
涼子さん 「お。。。。お父さん、本気ですか? もし本気であるならば、私はまた家から離れざるを得ません」
お父さん 「・・・・・それでも良いと思っている。。。。 これは、石井家の命運をかけた選択なのだ 」
お義兄さん 「 お父さん、、、そこまで・・・・・・・」
お父さん
「血がつながっていないとは言え。親族であり、才幹もある。
そして胆力もある。 ルーク君君にしか任せられない分野なのだよ。
和弘、玲子、涼子、紫苑。 素養はあるが、やはり
荒々しい才幹の持ち主ではない。
中国では、とっさの決断力・強引さ・ズル賢さが必要なんだ 」
ルーク 「・・・・・・・・・・」
お父さん 「よくよく考えてくれないか、 悪いようにはせん 。
粛清対象の会社ではなく、今回の一番重要な分野を任せるつもりだ」
ルーク 「、、家に持ち帰って、よく考えさせてください。 」
栗田 「 ルークさん、及ばずながら 私も秘書としてルークさんについていくつもりです」
ルーク 「えぇ?!」
お父さん 「 ワシら家族としては、本当に痛いのだが。 大事な栗田をサポートとしてつけるつもりだ」
ルーク 「しかし、、、屋敷の管理や、お父さんの秘書がいなくなるのでは? 」
お父さん 「 栗田は、非常に優秀でな、役員に連ねようとしたほどの人材だ
会社の派閥に属させるのが嫌で、この屋敷にとどめていたのだ 」
栗田 「・・・・・・・・・」
お父さん 「 ワシの秘蔵っ子だよ。 こういう日のために、自由に動ける存在にしていたのだ」
ルーク 「 (たしかに優秀だ、栗田さんと経済・法律・海外の話をすると、
とてつもない知識を披露してくれる。。。)」
お父さん 「 参謀としては、申し分ないだろう。 ただし、国内・ヨーロッパ分野への参与は認められない」
ルーク 「 やはり、、そうでしょうね、、、 」
お父さん 「察しのとおりだ、 さすがだな・・・・。
それに、新参者と罵られて、やりにくいだろうとも思うし。 実績を中国で上げてなら、問題なかろう」
ルーク 「そして、失敗しても僕ひとり切り捨てれば済みますしね 」
お父さん 「 君なら、やってくれると思うよ。 チャンスとリスクは表裏一体だ。 否定はせん 」
ルーク 「(ふむ。。。) 分かりました、後日 正式に返答します 」
お義兄さん 「 !? 本気かい? 断っても、君たちの結婚は僕が保証する 」
ルーク 「ありがとうございます。 僕としても、お義兄さんの邪魔はしたくありませんし、
どの選択をしたとしても、 決して 垣根を越えることはありません 」
お義兄さん 「 う・・・うむ。。。そこまで分かっているのなら良いけど・・・」
そんな、波乱を含んだまま、昼食会は終了しました。
それから、2週間以上経過しています。
そろそろ返事をしなければいけません。
今度の日曜にでも、 涼子さんの実家に行こうかと思っています。